【気象解説】年末寒波で大雪…帰省ラッシュへの影響は?
27日(金)現在、年末寒波の襲来で北陸や東北を中心に大雪となっています。帰省ラッシュへの影響など、年始の天気と合わせて気象予報士の木原実さんに聞きました。
■危険な雪「JPCZ」とは
27日(金)午後、強い寒波の影響で日本海側を中心に雪の降り方が強まっています。気象衛星ひまわりの画像では、日本海上に、他の筋状の雲と違ってゴツゴツとしている部分が確認できます。
これは通称「JPCZ」と呼ばれるものです。「JPCZ」とは日本海寒帯気団収束帯(Japan-sea Polar airmass Convergence Zone)のアルファベット頭文字を取った呼び方です。冷たい風が収束することによって生まれる、発達した雪雲のことで、そのJPCZによる雪雲が流れ込むと、わずか数時間で大量の雪が降り、積雪が急増、つまり危険な雪となるおそれがあります。
27日(金)夜以降も、北陸や北日本の日本海側を中心に雪が続く見込みです。または28日(土)は上空の寒気がピークとなるため、未明から午前中にかけて、九州や四国など西日本にも雪のエリアが拡大、山沿いを中心に、強く降る所もあるでしょう。
28日(土)午後からは、西日本の雪雲は抜けていきますが、北陸などでは29日(日)にかけて大雪が続くおそれがあります。
気象庁からは27日(金)午後4時現在、28日(土)は北陸だけでなく岐阜県や滋賀県、関東では群馬県の山沿いにも大雪警報が発表される可能性がある、という情報です。また島根県、広島県など西日本でも雪が積もる可能性があり注意が必要です。
大雪となるエリアへの帰省を予定されている方は、可能であれば予定の見直し、難しい場合は、食料や毛布、モバイルバッテリーなどの、急な立ち往生への備えを忘れずにご用意ください。最新の交通情報、気象情報もこまめに確認するようにしてください。
年末寒波は29日(日)までとなる見込みで、週明け30日(月)はいったん日本海側も雨や雪は収まる見込みです。ただ、大みそか31日(火)は、北日本付近を低気圧が発達しながら通過するため、北日本を中心に荒れた天気となるおそれがあり、注意が必要です。
一方、都心など太平洋側では年始にかけても乾燥した冬晴れが続きます。引き続き火の取り扱いには十分な注意が必要です。
(12月27日午後5時ごろ放送『news every.』より)