コロナが家計直撃 ひとり親家庭で影響深刻
新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が経済的なダメージを受けていますが、ひとり親家庭では特に、その影響が深刻になっています。
◆休校で昼間は仕事が手につかず…朝まで仕事
神奈川・横浜市の遠山浩志さん(49)。小学1年生の息子を男手ひとつで育てるシングルファーザーです。
4月から息子が通うはずだった小学校は、新型コロナウイルスの影響で2か月にわたり休校に。子供の世話や食事の準備などを全て自分1人でこなすため、昼間は仕事が手につかず、息子が寝た後、朝の4時頃まで仕事をする日々が続きました。
さらに新型コロナウイルスの影響で、家計は深刻な状況に。
遠山さん「できるだけ外食控えて…節約」「収入としては約9割(減少)、10分の1になってしまったので」
◆会社勤めが難しく、比較的収入の安定しない人が多い
以前は会社勤めをしていましたが、息子がぜんそくで体調を崩しやすいため、サラリーマン生活を続けることを断念。2年前に独立しました。
勤めていた会社の助けを借りて電子回路の新規開発などを請け負い、ようやく軌道に乗り始めていましたが──
遠山さん「こういった形ですね。家賃の引き落とし不能ってことで、支払いできなかった分の。で、それに対して何か月か続いてしまいましたので、督促という形で」
2月頃から多くの取引先が新規の開発をストップ。遠山さんは仕事が激減し、これまで問題なくできていたレンタルオフィスの家賃やカードの支払いなども、できなくなってしまいました。
ひとり親を支援する団体『エスクル』が新型コロナウイルスの影響について調査したところ、「収入が減った・減る見込み」と答えたひとり親は67.1%。子育てをするため会社勤めが難しく、比較的収入の安定しない人が多いといいます。
◆給付金も前年度の所得が低い人などに限られる
都内のシングルマザーは、ひとり親への支援は十分とはいえないと訴えます。
子供2人を育てるシングルマザー「今食べるものがないということだったり、一日1食で生活しているという(ひとり親の)話も聞いていますので」
食べ盛りの中学生と高校生の男の子2人を、1人で育てる女性。ヨガ教室を開いていますが、感染予防のため教室が開けず、この3か月間、収入はほぼゼロに。ひとり親支援の給付金もまだ受け取れておらず、当座の生活費の借り入れも考えているといいます。
子供2人を育てるシングルマザー「持続的な給付っていうものは必要かなと思います。(今後)今までのように、同じように収入が得られるとは限らないので。一時的な給付においても、遅い」
ただ、こうした給付金も全てのひとり親が対象となるわけではなく、前年度の所得が低い人などに限られているといいます。
子供2人を育てるシングルマザー「前年度たまたま所得がよかったり、収入があっても、今このコロナウイルスでそういった人たちが同じように収入が得られているっていうわけではないので。だけども、そういった人たちは支援を受けられない」
ひとり親の交流活動をする団体『Couch』では、署名活動を通じて全てのひとり親への支援を求めています。