テイクアウトの食中毒リスク 意外な注意点
暑さが厳しさを増すにつれて、「食中毒」への警戒も高まっています。テイクアウトの飲食店は対策に奔走していますが、意外なところにも注意すべきポイントがあるといいます。
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サラリーマンの街・新橋ではお昼時。午後への活力、テイクアウトのお弁当。しかし、日に日に暑さが増すことで…
街の人「長時間、外で売っているようなところは嫌だな」「食中毒とか(気になる)」
この時期、気になる「食中毒」。
4月から昼のテイクアウトを始めたというこちらの居酒屋では――
田辺養鶏園 新橋ファーム・川北典雅さん「食中毒怖いので、早めに食べてくださいと伝えたり」
さらに店内では――
川北さん「作って広げて冷房の下に置いておくので、冷めるまで、冷めてからふたをしている感じ」
自粛要請の影響などでテイクアウトを始めた店が急増した今年。慣れない店もある中、東京都福祉保健局は、これからの時期、特に食中毒リスクが高まるとして、「温かい料理は小分けにし、冷ましてから弁当へ」「持ち帰りには保冷剤を使用」「生ものの提供は控える」などと、飲食店に注意を呼びかけています。
今月オープンしたスペインバルでも――
エル・トラゴン・アル・プントオーナー、栗原靖武さん「熱い状態でふたをするのは一番危ないと」
テイクアウトの料理については調理後、冷ますことはもちろん、店一押しのセットメニュー(パエリア&タパスセット 800円・税込み)にも工夫が。
栗原さん「お弁当は容器が3つに分けてありまして、温かい料理と冷たい料理を一緒にしてしまうと、温かい温度が冷たい料理まで移ってしまって菌の増殖を招いてしまうので、3種類のパックに分けています」
専門家も弁当の食材は冷めた状態で詰めた方がいいとした上で…
女子栄養大学 食品衛生学研究室・斉藤守弘教授「温かい状態で詰めると、お弁当の箱窓に水分が付着する」
たまに見かける弁当のふたについている水滴。
斉藤教授「水分が多くなるということから、細菌が増殖するリスクが高くなる」
また、弁当によく使われる食材にも意外な落とし穴が。
斉藤教授「彩りをよくするためにミニトマトなどを使われることが多いと思いますが、水分が非常に多い。特に盲点なのがミニトマトのヘタ」
ヘタに付着した水分が菌増殖の原因になることもあるということです。
ファミリーレストラン大手の「すかいらーく」も「食中毒」への検査を徹底。15日、埼玉県のとある施設を訪ねると。
すかいらーく 東日本衛生検査チームリーダー・桐田千鶴子さん「こちらはテイクアウトのお弁当の検査を今しております」
温度や食べるまでのギリギリの時間を想定し、取り置きをしたというこの弁当。
桐田さん「今どのくらい菌があるのかっていうのを計量して確認している」
食材をある液体につけ培養することで、菌の量を確認するなど、検査しているといいます。
テイクアウト需要が先月は4.3倍と急増(※前年同月比)し、メニューも増やしたという「すかいらーく」。弁当の中に入ってるおかずなど、すべての品目でこうした細菌検査を実施し、安全性を保っているといいます。
桐田さん「社内基準、かなり細かく厳しく決められていますので、すべての商品が合格するように確認しています」
気温や湿度がより高まるこれからの季節。新型ウイルス対策だけでなく、今一度、食中毒への注意も必要です。