【解説】安倍元首相の国葬 生活に影響も… 「弔問外交」G7からは“元職”目立つ?
9月27日の安倍元首相の国葬まで1週間を切りました。国葬はどのような形で執り行われるのでしょうか。
・異例の警備態勢
・海外の首脳…誰が参列?
・生活に影響も
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
21日、警察庁のトップが国葬の会場周辺を視察しました。国葬の会場となる東京・千代田区の日本武道館の周辺を警察庁の露木康浩長官が視察に訪れ、会場周辺の状況の確認を行いました。警察庁のトップが警備の現場を事前に訪れるのは、異例のことです。
警察庁長官自らが異例の視察をしたのは、銃撃事件を受けて、要人警護の責任を果たせなかったことを重く受け止めて、警察庁が警備への関与を強化し抜本的な見直しをしているからです。
今回は事件以降、初めて外国からの要人も多く参列することから、警戒を強めています。
当日にどのような流れで国葬が行われるのか、21日時点で分かっている情報をまとめます。
国葬は来週9月27日(火)午後2時から、日本武道館で行われます。国歌の演奏、黙とうなどに続いて追悼の辞があり、岸田首相や「友人代表」として菅前首相などが弔辞を行います。
参列者は、最大で約6000人を見込んでいます。
また、一般の献花については、会場の外にある千代田区の九段坂公園に献花台を設け、当日午前10時から午後4時まで行われます。手荷物検査があり、献花用の花は各自で用意する形で行われるということです。
国葬の費用は税金でまかなわれ、現時点で約16億6000万円という見通しが示されています。
21日時点で分かっている海外からの参列者の情報について、今回、海外からは190以上の代表団が来日しますが、そのうち“首脳級”は「50程度」と想定されています。
G7(=主要7か国)の首脳では、カナダのトルドー首相が参列する予定です。ただ、アメリカのバイデン大統領は参列せず、ハリス副大統領が初めて来日し参列を予定しています。安倍元首相と何度もゴルフをしたトランプ前大統領や、オバマ元大統領も参列しません。
フランスからは、マクロン大統領は21日時点で参列者に名前が挙がっておらず、サルコジ元大統領が参列予定です。ドイツのメルケル前首相も21日時点で参列者に名前がなく、ウルフ元大統領が参列します。イギリスからはメイ元首相が参列します。
韓国からは、尹錫悦大統領は参列せず韓悳洙(ハン・ドクス)首相が参列する予定です。
「弔問外交」の場ともなる国葬ですが、こうして見るとG7の中では、現職の人よりも元職の人が目立ちます。現役の国家元首だったエリザベス女王の国葬と日程が近くなったということもあり、政府関係者からは「首脳級が直近で2回も外遊ができるか、分からない」という声も聞かれました。
21日午後には、今回の国葬には天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻は慣例により参列されず、それぞれ使いを送り生花を供えられるということが、宮内庁から発表されました。そして、皇族からは秋篠宮ご夫妻と二女の佳子さまなど7人が参列されるということです。