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沖縄“医療非常事態宣言”も…政府「行動制限の必要ない」 新型コロナ“第7波” 過去最多の感染者 

2022年7月22日 1:25
沖縄“医療非常事態宣言”も…政府「行動制限の必要ない」 新型コロナ“第7波” 過去最多の感染者 

21日、東京都で新たに3万1878人、全国で18万6246人の新型コロナウイルス感染者が確認され、過去最多となりました。医療ひっ迫が深刻化している沖縄では、県独自の「医療非常事態宣言」が発出されました。一方、後藤厚労相は「行動制限の必要はない」との認識を示しました。

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「中央線ビールフェスティバル2022summer」が21日から始まり、3年ぶりの開催となりました。あいにくの雨の中、多くの人が集まっていました。

来場客がビールを楽しむ一方で、新型コロナ感染者の急増を受け、会場では様々な感染対策が取られていました。2019年には長い机にイスが用意されていましたが、今年は立ち飲み方式で1時間以内の利用を呼びかけました。スタッフが会場内を巡回し、長時間利用している人には声をかけるということです。

来場客も、それぞれが感染対策を取っていました。ある女性は、持ち歩きのアルコール消毒スプレーを見せてくれました。

飲食業(20代)
「アルコールの消毒はこまめにしようと思って、(感染者数は)気にしてはいますけど、自分の中で感染対策して毎日、過ごしているので」

“黙食”をしていた大学生にも、話を聞きました。

大学生(20代)
「マスクしながら、黙食しながら、楽しみたいと思います」

――21日の東京の感染者数知っている?

大学生(20代)
「3万人とかですよね。僕自身マスクをつける、手洗いするとかは、ずっとコロナ始まってからやってきたので、それはこれからもずっと続けていこうかなと」

“ウィズコロナ”のまま、3回目の夏が始まりました。

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21日、東京都で新たに3万1878人の新型コロナ感染者が確認され、初めて3万人を超えました。これまでの最多だった第6波のピークを、1万人以上上回りました。

都は、医療提供体制の警戒レベルを、4段階中最も高いレベル「医療体制がひっ迫」に引き上げました。

国立国際医療研究センター 国際感染症センター長 大曲貴夫医師
「今回の増加比が継続しますと、これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になります。医療の提供体制が十分機能しないことも含めて、社会機能の低下を余儀なくされます」

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連休明けの19日、東京・江東区にあるあそか病院の発熱外来に長蛇の列ができていました。この日だけで269人が訪れたということです。

あそか病院 白石廣照医師
「(発熱外来は)連日200人を超える患者が来ていて、その中で陽性率が80~90%。これまでにないような流行と考えております」

さらに、16床あるコロナ病床は満床になりました。

80歳の高齢男性は入院当初は軽い肺炎でしたが、5日間で病状が悪化しました。入院中に病状が悪化しても受け入れ先が見つからず、転院できないケースもあったそうです。

あそか病院の白石廣照医師は「今はまだ“第7波の入口”」と話し、危機感を募らせます。

あそか病院 白石廣照医師
「第5波の時、(去年夏ごろ)に流行したデルタ株と同等の悪性度を持ちながら、より感染力が高いウイルスと考えています。私も先月まで、もう軽症化しているし、治療薬もあるから、『以前のように恐れる必要はありません』と公言していたのですが、今回の流行に関しては前言を撤回したい。完全に油断していたと考えています。この1週間は医療崩壊前夜」

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21日、全国の新型コロナ新規感染者は18万6246人確認され、35の都府県で過去最多を更新しました。

ただ、政府は「まだ行動制限の必要はない」としています。後藤厚労相は「現下の感染拡大への対応については、行動制限を行うのではなく、社会経済活動をできる限り維持しながら、感染対策に国・地方が連携して機動的・重点的に取り組む」と述べました。

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その一方で、過去最多となる5250人の感染が確認された沖縄県では、夏休みシーズンに入り観光客でにぎわう中、玉城知事は県独自の「医療非常事態」を宣言しました。不要不急の外出をできるだけ控え、会食は4人以下で2時間以内までと要請しました。

沖縄県 玉城知事
「感染拡大が急激に進んでいる現状では、行動制限も含めたさらなる強化策も検討してまいります」

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沖縄・豊見城市の友愛医療センターでは、医療のひっ迫が深刻化し、連日、コロナ患者の受け入れ要請が相次いでいます。14日、電話に出た医師が「かかりつけ医に断られた?」とのやりとりする場面も。さらに電話がかかってきました。

スタッフ
「またコロナですか?」

医師
「多分、そうです。これは15歳で発熱」

友愛医療センター救急科部長 山内素直医師
「今、沖縄はコロナに対しての医療もそうですし、救急医療も一般的な医療も、ほぼ壊滅的な状態になっていると思います。観光シーズンに入ってしまって、県外からもたくさんの方が来られている中で、県内でコロナがここまで急増してしまって、医療が成り立たなくなってしまっている」

「すでに医療崩壊している」という沖縄県の病床使用率は21日時点で71.5%に達し、新規患者の入院調整が困難な水準となっています。この病院でも、医療のひっ迫が深刻化しています。病院内では以下のようなやりとりもありました。

医師
「コロナの濃厚接触者の方で『那覇市内、5~6件断られている』という人の入電きてて」
「大丈夫です? ありがとうございます」

友愛医療センター救急科部長 山内素直医師
「今までだったら、もしかしたら入院できていたかもしれない状態の患者さんも、正直なところ家族とかにお願いして、自宅療養してもらうようにして。壊滅状態である沖縄の医療を守る、立て直していくためには、ある程度の厳しい行動制限をしないと、立て直しができないのじゃないかなと」

(7月21日放送『news zero』より)