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市内の半数3000戸の住宅が全壊か…七輪やレンガの名産地、石川・珠洲市から中継

2024年1月19日 17:04
市内の半数3000戸の住宅が全壊か…七輪やレンガの名産地、石川・珠洲市から中継
能登半島地震から19日で19日目となります。石川・珠洲市の蛸島町から中継します。

珠洲市では99人の方が亡くなっていて、今も4人の方の安否がわかっていません。珠洲市は珪藻土という焼き物などに使われる土の産地で、こちらの会社は珪藻土を使った七輪やレンガを製造しています。

地震の影響で、この建物は元々事務所だったんですが、倒壊して事務所の中にあったはずの書類がむきだしの状態になっています。現在は車庫を事務所の代わりにして作業しているということです。

──建物の被害が大きいですが、七輪やレンガの製造にも影響が出ているんでしょうか。

完成した七輪は出荷したあとで、被害は少なかったそうなんですが、60年ほど使っていたレンガなどを焼く窯が地震でくずれて使えなくなったといいます。

ただ、1年前に試作用として作った小さな窯は使える状態だったということで、社長の鍵主さんは、「これがきっかけにしたい」と話していました。

鍵主工業・鍵主哲社長(57)「残ってたことが一歩前進、うれしいです。ひとつひとつが。確実に確実じゃなくてもいい、とにかく一歩一歩、きょう一歩踏み出せたことをありがたく思ってとやってます」

一方で、大きな窯がないと元の生産量に戻すことは難しく、「とにかく少しでも作り始めることができれば」と話していました。

また、こちらでは断水が続いているほか、電線が切れている場所もあり、ライフラインの復旧はまだ見通しがたっていません。

珠洲市にある家屋のおよそ半数にあたる3000戸程度が全壊したという見通しで、19日も倒壊した建物で道が通れない場所が多くありました。

珠洲市出身の男性は、SNSに投稿された写真で実家が倒壊していることが分かり、19日に初めて訪れたということです。

実家が倒壊した下橋昭浩さん(63)「位牌くらいは持っていきたいなと思ってたんですけど、これはちょっと無理ですね。このまま帰るしかないですね。すごいことになってるもんやね。もう言葉が出ないです』

男性は地震から2週間たって初めて実家が倒壊したことを知ったといいます。まだまだ届いていない被災地の声があることを感じました。