×

【解説】“統一教会”解散命令請求へ 今後、裁判所はどのように判断?

2023年10月12日 20:57
【解説】“統一教会”解散命令請求へ 今後、裁判所はどのように判断?

政府は12日、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”への解散命令を東京地裁に請求することを正式に決定しました。解散命令が請求された後、裁判所でどのように手続きが進むのか、裁判所関係者に聞きました。

政府は12日、“統一教会”への解散命令請求を正式に決定し、早ければ13日にも東京地裁に請求するとしています。

東京地裁は、請求人である国側と教団側の双方から意見を聞いた上で、解散を命じるか判断することになりますが、審理はすべて非公開で行われます。

裁判所は法廷を開くなどして、双方の意見を聞く「審問」を開く場合もありますが、書面での手続きで完結する場合もあります。

また、国側や教団側が証人尋問の実施を裁判所に求めることもできます。

裁判所の審理にどの程度、時間がかかるかはケース・バイ・ケースで、審理にかかる時間は証拠の量などに左右されるということです。

過去に、公共の福祉を害するなどとして、裁判所が解散命令を出したのは、オウム真理教と明覚寺の2件のみですが、オウム真理教の場合は請求から解散命令の決定まで約4か月かかりました。(最高裁で解散命令が確定するまでは約7か月)

今回、仮に東京地裁が教団に解散を命じる決定をしても、教団側は「即時抗告」することができ、その場合は東京高裁で審理が続くことになります。

また、その決定にも不服の場合は、最高裁への「特別抗告」も可能ですが、地裁の解散命令の判断が高裁でも維持された時点で、清算手続きを開始することができます。

一方で、教団に対して解散命令が決定したとしても、関連団体の財産は制限を受けないということです。

解散命令の請求を受け、教団は「私たちは、国から解散命令を受けるような教団ではないと確信しております」「今後は、裁判において、私たちの法的な主張を行っていく予定です」として、争う姿勢を示しており、審理が長期化する可能性があります。