【4月1日・新年度で変わること】子育て・ワクチン・マイナ保険証…ほか
4月1日、新年度が始まります。出産や子育てに関することなど、変わる制度をまとめました。
■出産育児一時金「50万円」に
出産にかかる費用などを助成する「出産育児一時金」が、これまでの原則42万円から、50万円に引き上げられます。
出産費用は病院ごとに異なり、特に都市部では高額で、子育て世帯の経済的負担となっているため、助成額が増やされます。また、妊婦が病院を選びやすくするため、2024年度には、全国の医療機関ごとの出産費や無痛分娩費などを一覧にして公表する「出産費用の見える化」も検討されています。
■企業の“男性育休”取得率…HP公開義務に
従業員数1000人を超える企業に、男性の育児休業の取得状況を1年に1回公表することが義務付けられます。
こどもが生まれた直後の男性が取ることができる「産後パパ育休」を含めた男性の育休の取得率などを、企業は前事業年度が終了後、概ね3か月以内に、自社のホームページで公表することになります。男性の育休取得を促進することと、社会の中で男性が育休を取りやすいような機運を醸成する狙いがあります。
子宮けいがんなどの予防効果が、従来のワクチンより高いとされる9価HPVワクチンは、これまで自己負担で接種可能でしたが、定期接種(公費でまかなうため無料)での使用が始まります。対象は、小学校6年から高校1年生相当までの女性です。
また、接種機会を逃した1997年度から2005年度生まれの女性も、2025年3月末までは、無料でこのワクチンを接種できます。
一方、“マイナ保険証”の普及を促進するため、システムが稼働し始めた医療機関では、マイナ保険証ではない従来の保険証で診療を受ける際には、窓口負担額が6円上乗せされます。(3割負担の初診の場合。12月末まで上乗せ実施)
■「給与のデジタル払い」解禁
『現金』か『銀行振り込み』などで賃金を受け取ることが原則となっていますが、スマートフォンの決済アプリなど、キャッシュレス決済の口座で賃金を受け取る「給与のデジタル払い」が解禁となります。
参加する業者の申し込みが4月に始まり、破綻した際の対応などの要件を満たしているか審査した上で、スタートされる予定で、実際に“デジタル給与”を受け取るためには、労働者本人が、企業側と事前に労使協定を締結し、同意する必要があります。