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コロナとインフル“同時流行”医療現場は…

2020年11月13日 21:32
コロナとインフル“同時流行”医療現場は…

新型コロナウイルスの感染が全国で拡大する中、今後、懸念されているのがインフルエンザとの同時流行です。さらなる負荷が心配される医療現場を取材しました。

東京・文京区にある東京医科歯科大学病院。都内各所から、毎日のように新型コロナ重症患者の受け入れ要請が入るといいます。

11日、救急車で搬送されてきたのは重症患者の男性。医療従事者への感染を防ぐため、ビニールのシートで覆われた特殊なストレッチャーで運ばれていきます。

搬送後、男性には人工呼吸器による酸素吸入処置が行われました。現場の医師は…。

東京医科歯科大学病院 落合香苗医師「『Q(重症患者は満床の)8人目?』いやきょうすれ違いで1人、中等症病棟に出たので7人キープ。『Qこれが続くと結構厳しい状況?』すでにきのうの段階で、お断りしている症例もあるので、だいぶ厳しい状況でまわしています」

12日の都内の重症者の数は39人。この病院では現在、新型コロナの重症患者用のベッドは8床ありますが、さらに1人の重症患者が搬送され、満床が続いているといいます。

東京医科歯科大学病院 植木穣病院長補佐「次、このまま重症の方の依頼が来ても、お断りせざるを得ないという状況まで実はきている、このままやはり第3波が本当に始まってしまうのかと、我々は乗り切れるのかという不安のような懸念がある状況」

医療従事者に大きな負荷がかかっている感染拡大。それは、検査を担当する部署でも同様だといいます。

東京医科歯科大学病院 検査部 東田修二教授「平日で1日で130件とか150件くらいPCR検査を行っている。通常の細菌検査の上に新型コロナのPCRもやり、負担は増えている」

さらに、今後心配されるのが、インフルエンザとの同時流行です。
東田修二教授「インフルエンザって、日本で毎年1000万人以上がかかるとされています。1000万人以上が、熱が出る・体がだるい・せきが出るみたいな患者さんが発生するわけで、診察しただけでは新型コロナとインフルエンザの区別できない」

この病院では、同時流行を想定して動線を分けたり、陰圧装置や空気清浄機を導入するなどして感染対策を行っているといいます。

また、医療従事者向けに精神科の医師によるカウンセリングも。

精神科の医師「長期戦になってきますので、やってもやってもなかなか状況が改善しないというようなことがあると、いわゆる燃え尽きというか。小さなことでもいいので成功体験を見つけていただいて。個人あるいはチームで共有していくことが、燃え尽きの要因に大事ということが分かっていますので」

新型コロナとの長い闘いの中で、疲労やストレスが蓄積され続けている医療従事者。

植木穣病院長補佐「9月、10月でも常に我々の病院では10人超の患者が常に入院している状態。第2波が終わって医療現場が楽になったかというと、ほとんど楽になることなく、今回のまた少し上昇という時期を迎えてしまっていますので。本格的な冬のシーズンを迎えた時に、どういった状況になるのか、というところは非常に予想が難しくて心配している状況です」

この病院では今後重症者用のベッドを増やすことを検討しています。