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感染事例から学ぶ「飲み会」4つの注意点

2020年11月18日 20:33
感染事例から学ぶ「飲み会」4つの注意点

11月18日、東京都では過去最多の新型コロナウイルスの新たな感染者が確認されました。これから年末年始を迎える中、気を付けるべきは「飲み会」。実際に発生した「飲み会クラスター」の事例から学べる、「飲み会」での注意点をまとめました。

■実際に起きた2つの「飲み会クラスター」

年末年始に飲み会の場で感染してしまうと、職場や家庭にウイルスを持ち込むことになるため、どのように防ぐのかが大切です。 
 
国立感染症研究所が、これまでどんな飲み会でクラスターが発生し、感染の原因は何かを詳細に分析して発表しています。それぞれの事例から学べることをまとめました。 

事例1:7人・3時間・テーブル席で飲み会

まず1つ目の事例です。 7人で3時間、テーブル席で宴会したという事例です。対面距離は1メートル程度で、隣とは肩が触れあうぐらいの近さでした。発症者は奥に座っていた人で、咳きこんでいました。 
発症者の他に感染したのは、向かい側や横など、発症者に近いエリアに座っていた4人です。 一方で、感染しなかったのは発症者から比較的遠い場所にいた2人で、30分程度で退席したといいます。 

この事例から学べることは、 
(1)一定の距離をとることで、感染リスク下げられる可能性があるということ
(2)発熱なしでも少しでも「おかしいな」と症状があれば、飲み会に行かないということ 
です。
 
事例2:7人・4時間・個室で飲み会
2つ目の事例は 職場の飲み会で、7人が個室に約4時間いたケースです。テーブルの対面距離は1.5メートルでした。よくあるシチュエーションかもしれません。 

発症した人は出入り口の近くに座った人で、全部で5人が感染しました。 最も離れた座席だった同僚は陰性でした。 全員マスクを着用せず、店に窓はなく、個室は最も奥まった場所でした。 また、発症者は会の途中で席を移動していたそうです。発症者が部下で、「お酌」をしにまわったのかもしれません。 

この事例から学べることは、 
(1)換気が悪く「密」な空間は、感染リスクが高いこと 
(2)席の移動は、多数の感染者が発生する可能性があること
です。
 
■感染者数が過去最多 営業時間の短縮要請も

18日16時時点で判明している情報を整理します。

東京では18日、新たに493人の感染が確認されました。これまでは8月1日の472人が最多でしたが、それよりも21人多い感染者数です。 感染経路不明の人も増加しています。17日の重症者の数は、緊急事態宣言の解除後で最多の42人でしたが、18日は3人減って39人となりました。

こうした中、東京都は感染状況の警戒レベルを最も深刻な「赤感染が拡大している」に引き上げる方向で調整していることがわかりました。この感染状況の警戒レベルは4段階で、現在は上から2番目の「オレンジ感染が拡大しつつある」です。これを一番上の「赤」に引き上げるか、18日夕方専門家に意見を求め、19日のモニタリング会議で決定されます。 

今回は感染拡大を防止するため「事業者への営業時間の短縮を要請」する方向で検討しています。時期などについては今後の感染状況などを見ながら判断します。 

16日に菅首相は「自治体がエリアや業種を限定して営業時間短縮などを要請した場合は、臨時交付金を追加配布する」と述べました。国が支援し、飲食店などに月額上限60万円の協力金を支払います。 

■東京 警戒レベルの経緯

東京都はこれまでも様々な形で警戒を呼びかけてきました。“赤”といえば、レインボーブリッジや都庁が赤く染まった「東京アラート」。 漫画家さいとうたかをさんの「ゴルゴ13」とコラボして、「絶対に楽観しない」 と呼びかけも行われました。 

「東京アラート」が発動されたのが6月2日で、9日後の11日に解除されました。 そして、7月2日からは新たな指標として現在の4段階の警戒レベルが始まり、上から2番目の「オレンジ」になりました。7月15日には最高レベルの「赤」に引き上げられました。いわゆる「第2波」が来たときです。 

その後、感染状況が落ち着き、9月10日には「オレンジ」に引き下げられました。しかし、約2か月たち、再び最高レベルの「赤」にする検討が行われている、という流れです。 

感染拡大を抑止する効果は見込めますが、飲食店への打撃が心配です。実態に見合った支援を合わせて考えてほしいです。

(2020年11月18日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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