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「はやぶさ2」カプセルを豪砂漠地帯で回収

2020年12月6日 12:36
「はやぶさ2」カプセルを豪砂漠地帯で回収

日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったカプセルが6日朝、予定通り、オーストラリアの砂漠地帯で回収されました。

日本時間6日午前2時29分、オーストラリアの上空に現れた火球。約6年(2194日)にもおよぶ長旅を終え、「はやぶさ2」が地球に向けて分離したカプセルが高度120キロで大気圏に突入し、火球となって降りてきました。約3分後にはパラシュートが開いたとみられ、カプセルが位置を割り出すために発信する「ビーコン」という信号をもとに、午前3時すぎには、カプセルの着地点が判明したということです。

「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ・津田雄一さん「ほんとよかった、ほんとよかったです。本当に美しい大気圏突入でしたね。我々も感動しています」

「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられた後、2018年6月に地球から直線距離で約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」に到着しました。今回のミッションで「はやぶさ2」は「人工的にクレーターをつくる」「同じ天体の異なる2つの地点へ着陸する」など7つの世界初の偉業を達成しています。

世界で初めて小惑星の地中の物質を採取することにも挑戦し、砂や石などの地下物質が入ったとみられるカプセルを持って、去年11月から地球に向かっていました。その中身を分析することで、太陽系の起源や生命誕生の謎に迫ることが期待されています。

そして、5日午後2時半、高度22万キロメートルでカプセルを地球に向けて分離することに成功しました。

一方、「はやぶさ2」は地球に着陸せず軌道を修正し、そのまま地球から離れて、再び次の小惑星の探査に向け出発しました。次に目指す小惑星「1998KY26」は直径30メートルの小惑星で、地球と火星の間の軌道に位置しており、11年ほどかかる約100億キロメートルの新たな旅路です。

日本時間6日午前6時23分から始まったカプセルの回収作業は7時32分には完了しました。カプセルは早ければ8日にも日本に帰国する予定です。