知る人ぞ知る産地「浜名湖のカキ」に異変が
今、旬を迎えているカキ、全国に有名な産地がありますが、意外と知られていないのが、ウナギで有名な静岡県の浜名湖です。この知る人ぞ知る産地、浜名湖のカキに、今、異変が起きていました。
都内にあるオイスターバー。産地直送、鮮度抜群の生ガキの食べ比べができます。オススメは、クセがなく、濃厚でクリーミーな北海道産や、しっかりと口の中に甘さが残る佐賀県産など。
東京オイスターバー 五反田本店 那須崇文シェフ「寒くなってきているので、成長はしてきているので、安定してきた感じですかね」
寒くなるにつれ、ますますおいしくなるというカキ。中でも東京ではあまりお目にかからない、貴重なカキが。静岡県屈指の豊かな漁場「浜名湖」で育つカキです。この時期はリピーターが訪れるほど。
お客さん「うまみというか滋味というか、とってもおいしいです」
お客さん「以前も食べたことあるんですけど、非常においしかったので、また今日来た」
焼いても食べ応え抜群、大ぶりで肉厚なカキは冬の今が旬の真っ盛り、浜名湖の名産なんです。しかし、そのカキが今シーズン…。
浜菜坊 岡田謙店長「(仕入れ値は)例年より3割くらい上がっている。50年に一度の不漁と言われていますけれどね」
50年に一度と言われた、昨シーズンを上回るほどの、不漁に陥っているというのです。
早朝のカキ漁に同行すると。そこには予想外の光景が。養殖場には、たくさんのカキの塊が見られた上、漁船の上も、カキがビッシリと覆い尽くしていました。しかし、水揚げされたこのカキの大半が。
浜名湖のカキ養殖業者 八木田昇一さん「13カゴ1日で(養殖場に)戻すくらいの、小さなカキが出てしまう。今シーズンはやはり水温が高いこともあって、成長がちょっと遅れてたりするんですよね」
商品として、出荷できる大きさに育っていないカキです。例年11月中頃から始める漁を、12月からと半月遅らせましたが、まだまだ小さいカキが目立つといいます。さらに漁師を悩ませる、ある天敵の存在も。
八木田昇一さん「びっしり花が咲いたように、カキが立って育っているのですけれど。やはりこういったところは、食害によって食べられてしまって」
ただでさえ、生育が遅れているカキが、クロダイなどによる食害を受け、数が減ってしまっているのです。
漁師が営むお店では、年内の受注をストップするほど、浜名湖のカキを襲う二重の打撃。
八木田昇一さん「(本来)11月・12月は繁忙期でして、お客さんの注文が多いですから。本当に困った年というか」
クロダイが寄り付かないよう、カキ棚を網で囲むなど、漁師は対策を続けていくということです。