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「シクレソニド」臨床研究で有効性示せず

2020年12月24日 0:23

新型コロナウイルスの治療薬の候補として挙げられていた既存のぜんそく治療薬「シクレソニド」について、国立国際医療研究センターは、有効性は示せなかったとする臨床研究の結果を発表しました。

国立国際医療研究センターは、気管支ぜんそくの治療薬として承認されている吸入ステロイド薬「シクレソニド」について、全国21か所の医療機関の新型コロナウイルスの患者に投与する臨床研究を実施しました。

肺炎の症状がない軽症の90人に対して行った研究の結果、シクレソニドを投与した41人のうち16人(39%)が肺炎になったのに対して、シクレソニドを投与せず対症療法を行った48人のうち肺炎になったのは9人(19%)で、シクレソニドを投与した方が有意に肺炎の悪化が多いと結論づけました。

国立国際医療研究センターは、「アメリカなどで行われている臨床試験の結果を踏まえて判断する必要があるが、今回の結果からはシクレソニドの投与は推奨できない」としました。

シクレソニドは新型コロナウイルスの増殖を抑える効果が臨床試験以外で報告されたほか、患者3人に投与したところ、症状が改善したという報告があり、新型コロナウイルスの治療薬として期待されていました。