“緊急事態”具体的に生活はどう変わる?
東京は1月5日、1278人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。政府は首都圏の1都3県に緊急事態宣言を出すことを1月7日に決定する方針を発表しました。私たちの生活にどんな影響があるのか詳しくお伝えします。
■東京で1278人 過去2番目に多い感染者数
まずは1月5日の東京の感染者です。1月5日新たに1278人の感染が確認されました。12月31日の1337人に次いで過去2番目に多い人数となりました。2週間前、クリスマス前ごろの感染が、いまの数字に出てきています。重症者は111人と過去最多を更新しました。
■1都3県 “緊急事態行動”とは?
こうした中、菅総理は1月5日の朝、自民党の役員会に出席し、1月7日に諮問委員会を開き、専門家の意見を聞いた上で速やかに1都3県を対象にした緊急事態宣言の発出を決定すると説明しました。複数の政府関係者によりますと、緊急事態宣言の期間は1か月程度で調整しているということです。
それに先駆け1月4日、東京、神奈川、千葉、埼玉は1都3県緊急事態行動というのを呼びかけました。どんな行動かというと、まずは時短営業の要請です。今は酒を提供する店やカラオケ店などに対し、夜10時までの時短営業を要請していますが、これを1月8日から夜8時までに前倒しすることを要請しました。また、今は酒を提供する店、大都市・繁華街など一部の地域に限った要請でしたが、これも12日からは全域・全ての飲食店に拡大されます。
さらに1都3県の住民に対し、夜8時以降の不要不急の外出と、県境をまたぐ移動の自粛を呼びかけました。必要な買い物、通院など必要な外出はOKですが、なるべく短時間で済ましましょうということになりそうです。また改めてテレワークの導入を強く求めていくということです。
■劇場や映画館はどうなる?
前回の宣言では、劇場や映画館なども休業しました。今回は東京都の場合、小池都知事が1月4日、詳しく会見で発表しました。上野動物園など都立の施設は休館。映画館やスポーツクラブなどは対象外。イベントについては、オンラインや無観客また、延期や規模縮小を検討してくださいということです。続いて鉄道ですが、鉄道事業者などに終電繰り上げを要請するということです。また、もうすぐ成人式がありますが、自治体によっては中止やオンライン開催を決めているところもあるので、確認をする必要があります。
■学校や幼稚園はどうなる?
1月5日萩生田文科大臣が学校や幼稚園は一斉休校はせず、大学などの入試も予定通り行う方針を発表しました。また、保育所や学童はどうなのか、厚労省に聞きました。保育所は原則、開所の見通しで、親の仕事が休みになったりした場合は利用自粛をしてもらうかもしれないと話しています。学童は、学校が開いていれば原則、開所になると思うが今回はまだ決まっていないという答えでした。
一方で、部活動についてです。萩生田大臣は会見で、部活動で集団感染が発生していることから「感染リスクの高い活動を一時的に制限することも含め、感染症への警戒を強化して頂きたい」と述べました。
■緊急事態宣言 各所の反応は?
菅総理は、今回の緊急事態宣言では、特に飲食店への時短要請に絞ると話しています。しかし飲食業界の関係者からは「テイクアウトが午後8時以降に許されるのかなど、詳細が分からないと決めにくい」との声が上がっています。政権幹部は「大阪と北海道は飲食店の営業時間短縮で減少傾向になった。1ヶ月で間違いなく感染者は減ってくると思う」と話しています。
■飲食店への時短要請で効果は?
ただ、東京はすでに午後10時までの時短要請としても、人の流れが減らず感染者が拡大しています。今回、午後8時までに前倒しして、効果はみこめるのかについて、感染症呼吸器疾患が専門の加藤哲朗医師に聞きました。
加藤医師は「大阪や北海道に比べて、繁華街の規模、感染者の広がりがあまりにも大きいので、飲食だけで同じ効果を期待するのは限界がある」と話しています。人との接触を減らすことが重要で、全体の中のひとつが夜の飲食といえます。夜の飲食だけがクローズアップされることに、懸念を抱いていました。
緊急事態宣言となっても、むやみに怖がることないですが、みんながやらないと意味がありません。ウィルスはひとりで飛んではいかないので、みんなが人との接触を減らしていくことが大切です。会わなくても済むことは会わずに済ませる、こういう意識で感染拡大を抑え込んでいきましょう。
(2021年1月5日放送 news every.「ナゼナニっ?」より)