緊急事態宣言“首相に助言”キーマンに聞く
2度目の緊急事態宣言に至った首都圏。なぜこのタイミングで宣言が出されたのか、私たちはどう過ごせばいいのか、内閣官房参与として菅首相に直接助言するキーマンに取材しました。
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1都3県への緊急事態宣言。なぜ、再び出すことに至ったのか。内閣官房参与として菅首相に直接助言するほか、政府の新型コロナウイルス対策分科会のメンバーでもある川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長に話を聞きました。
内閣官房参与・川崎市健康安全研究所 岡部信彦所長「(政府の)分科会の方でステージ分けを1・2・3・4とやっていて、4になると緊急事態宣言は間違いなくやらなければだめな状態だと。年末・年始の状態を見ると、色分けしてみると、(ステージ判断の指標)全部が真っ赤の4ではないけども、3から4になってる状況も多くなってきている」
新規感染者などの指標がステージ4になったことに加え、もう1つ、大きな懸念が。
岡部所長「重症者だけでなく、中等症くらいでどっちにいくか様子をちゃんと見た方がいいけど、その人に(入院は)ちょっと待っててくださいという状態になってるので、やっぱりこれを解決するんだと」
東京都では、入院先が決まらない調整中の人が、先月3週目では1000人あまりでしたが、2週間後の年末の週にはおよそ3倍に急増していたのです。
岡部所長「(第2波の)7月8月くらいに(緊急事態宣言を)『今まだ出さなくて大丈夫ですよ』ときちんと言えたのは、それなりの(改善する)見込みがあるわけで、いまの状態で『何にもやらなくて大丈夫ですか?』と聞かれて、『大丈夫ですよ』というだけの材料が残念ながらない。そうだとすれば何かアクションを取らなきゃいけない」
“大丈夫と言えるだけの材料がなくなった”-菅首相は一都三県の緊急事態宣言に踏み切りました。再びの緊急事態宣言下、どのような生活をすればいいのでしょうか。
岡部所長「飲食店にいっぱい集まって長い時間いて、いい機嫌になって大声でしゃべるのはよくない。これは明らかにクラスターを作りやすいとわかっているので。夜8時までしかだめなら、じゃあ昼にやろうというのは全然間違っている考え方」
岡部所長は、冷静に、やるべきことをすれば、新型コロナの流行は収束に向かうと指摘します。
岡部所長「僕にとってのコロナは闘える相手です。みんなが落ち着いてみれば闘える相手なんですよ。舞い上がっちゃうと闘えない相手になってくる。短期的な方法としては、緊急事態宣言という劇薬を出すときもあるんですけど、しかし、長い目で見ると、闘える相手だと思います」