コロナと花粉がダブルで…どう乗り越える?
東京都内で例年よりも早くスギ花粉が飛び始めました。新型コロナウイルスと花粉のつらい季節をどう乗り越えていくのか、お伝えします。
■市中感染か…変異ウイルスのクラスター
まずは、新型コロナの最新情報をお伝えします。
9日、東京都で新たに確認された感染者は412人。500人を下回るのは3日連続です。重症者は104人で、8日の数字と変わりませんでした。
心配なのが新たな変異ウイルスのクラスターです。8日に公表されたのは、兵庫県と埼玉県の変異ウイルス検出の事例です。
兵庫県の5人のうち4人は10代~80代の男女で、3人は80代の女性の濃厚接触者でした。変異ウイルスのクラスターとみられています。4人はいずれも、海外渡航歴も、渡航した人との接触歴もなく、こうしたケースは兵庫県内では初めてのことでした。市中感染が疑われる事例で、現在調査が進められています。
また、埼玉県の3人のうち10歳未満の女の子は、すでに公表されている施設で発生したクラスターの関係者です。これで、この施設のクラスターに関係する感染者は11人となりました。国内で変異ウイルスが確認された事例は、空港での検疫もあわせて92人となっています。
■今年は「要注意」花粉の飛散量予測
今年はコロナと花粉のダブルパンチ。いよいよ花粉が飛び始めました。
東京都内では、先週6日から2日連続でスギ花粉の飛散を確認したと発表がありました。飛散開始は去年より3日遅くなりましたが、過去10年の平均よりも10日早いということです。東京都の予想では、この春の花粉の飛散量は、去年より多いとのこと。ただ、去年はかなり少なかったので、例年と比べると7割程度だということです。
全国での予測をみていきましょう。日本気象協会によると、九州から関東にかけて「多い」、四国や東海、北陸などで「非常に多い」予測となっています。ただ、これは例年より少なかった去年との比較です。去年の花粉の飛散は非常に少なく、少し楽だったように感じていた方もいるのではないでしょうか。そんな去年と比べると、今年は「要注意」です。
■コロナと花粉症 4つの『悩み』と『解決策』
花粉対策用品なども製造しているエステーが、コロナと花粉症の『悩み』と『解決策』をまとめています。まずは「悩み」から見てみましょう。
(1)電車内でうかつにくしゃみができない
(2)目や鼻をかくとコロナの感染が心配
(3)花粉症はつらいけど…病院には行きづらい
(4)このくしゃみ…花粉症かコロナか分かりづらい
「あるある」と感じた方も多いのではないでしょうか。紹介されている解決案・対策は次のようになっています。
(1)電車の中での「くしゃみ」については、マスクをしたままはもちろん、飛沫が飛ばないように「下を向いて」ということです。口を覆った手を早めに洗ったり、消毒したりするのもポイントです。ひじのあたりで口を覆う「ひじガード」も有効です。
(2)目や鼻をかきたくなった時は、かく前に「消毒」をしましょう。手指を清潔にしていれば、粘膜に触れても感染の心配はないとのことでした。また、「花粉症対策メガネ」で目元をガードすることも有効で、これはうっかり目を触るのを防ぐ効果もあって、一石二鳥だといいます。
(3)病院に行きづらいという人は、もしコロナ感染が心配であれば、「オンライン診療」もおすすめです。かかりつけの病院やクリニックが対応していない場合もあるかと思いますが、初診でも対応してくれる医療機関もあるようです。
(4)花粉症かコロナか分からないというケースでは、ポイントとなるのは「発熱」だといいます。この2つは見分けづらいですが、発熱のないくしゃみは花粉症の可能性が大。発熱があるなら、コロナをはじめ、ほかの病気にかかっている可能性もあるので、医療機関に相談し、診てもらった方がいいとのことです。
■「37.5℃以上…迷ったら発熱外来の受診を」
花粉症かコロナか見分けるポイントについて、都内の耳鼻科クリニック『西馬込あくつ耳鼻咽喉科』にも話を聞きました。
花粉症の診察を行うこちらのクリニックでは、都内で花粉の飛散が始まり、例年より2週間ほど早く受診する人が増えてきたといいます。9日、クリニックの阿久津征利院長にお話を聞きました。院長によると、花粉症かコロナか見分けるポイントはやはり発熱ですが、37度5分以上あったら、コロナやコロナ以外の病気も疑ってほしいとのことでした。このクリニックでも、37度5分以上あれば発熱外来を受診してもらっているそうで、迷った人は、発熱外来もやっている医療機関を受診するのが望ましいというお話でした。
■コロナで換気も花粉が…どうする!?
コロナ対策で自宅の換気をするなら、理想的には1時間に5分~10分と、こまめに換気をすることが重要ですが、花粉症の家族がいる家では、なかなか難しいということもあるかもしれません。
その場合は、朝や夜に換気を試してみてください。環境省によると、花粉には多く飛ぶ「時間帯」があるそうで、「昼前後」と「夕方」に多く飛散するのだそうです。飛散量が少なくなる朝早くや夜の時間帯を有効活用したいですね。
花粉症の人にとってはつらい季節が訪れましたが、花粉症対策の多くはコロナ対策とも共通していますので、マスクをしっかりつけて、乗り越えていきましょう。
(2021年2月9日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)