もうすぐ花粉症の季節。花粉症は、新型コロナウイルスの症状と似ている部分もあり、不安になる人も出てくると思います。花粉症と新型コロナの見分け方と注意点について解説します。

■「緊急事態宣言」の解除どうなる？

１月２７日、東京都では新たに９７３人の新型コロナへの感染が確認されました。重症者は２６日より１１人増えて１５９人となっています。

そうした中、２７日の国会では、２月７日に期限を迎える緊急事態宣言が期限通りに解除できるかについてのやりとりがあり、政府・分科会の尾身会長は次のように述べました。

政府の分科会　尾身　茂会長「緊急事態宣言を出したことの効果というのが、おそらく今週の末、あるいは来週の初めに分かると思います。従ってそこを見てですね。これからの対策で、それが解除の方法、あるいは解除の時期等に私は重要な影響を及ぼすと思っております」

緊急事態宣言の効果が明らかになるのは、今週末以降と答えました。尾身会長は、年末年始の忘年会などで感染が急激に増えたことは間違いなく、いま感染者数が減ってきているのはその影響がなくなってきているから、と見立てています。その点で、いま見えている日々の数字は、年明けしばらくたってからの行動の結果なので、宣言の効果があったのかは、もうしばらくたたないと見えてこないということです。

■「緊急事態宣言」解除の目安は？現在の状況は？

緊急事態宣言を解除するのかどうか、そして、その判断はいつになるのでしょうか。西村大臣は２６日、自治体が混乱するとして、期限である２月７日の直前に判断することは避ける考えを示しました。また解除の目安は、感染状況が「ステージ３」になること。これもあくまで目安で、段階的に考えています。

今の東京都の状況を国が設けている指標にあてはめてみてみると、ほとんどの項目でステージ３を超えています。病床の使用率は、全体・重症者ともにステージ３にはほど遠い数字で、人口１０万人あたりの療養者数も、ステージ４が２５人のところ１２４人と大幅に超えている状況です。そして、新規の感染者数も、人口１０万人あたり５６人とステージ４の倍以上となっています。

■新型コロナと花粉症・・・見分け方は？注意点も・・・

そんな中、花粉症のシーズンが近づいて来ています。東京都は２０２１年の花粉の飛散量が、２０２０年の１．８倍となる見込みだと発表しました。例年と比べると７割程度だということで、早ければ、２月１２日頃から花粉が飛び始める見込みだということです。新型コロナと花粉症、どちらも風邪のような症状が出ますがどう見分ければよいのでしょうか。

見分け方を、都内の耳鼻科医・呉孟達医師に聞きました。新型コロナの主な症状は発熱・咳・けん怠感で、花粉症の主な症状は鼻水・くしゃみ・鼻づまりです。しかし、花粉症でも重症だと微熱や咳、けん怠感も出ますので見分けがつきにくくなってきます。見分け方のポイントは、呉医師によりますと、「かゆみがあるかどうか」だということです。けん怠感や発熱などは新型コロナと花粉症ともに症状としてありますが、目や鼻がかゆい、というのは花粉症のわかりやすい特徴だということです。

花粉症デビューする人はわかりづらいと思いますが、まずは「かゆみがあるか」を気にしてほしいということです。すでに花粉症の人は、「例年と違う症状があるかどうか」を受診する前に確認してください。そして、例年と症状が違ったり、かゆみがないのに熱やけん怠感がある場合は、自分で判断せず、まずは病院に電話をして体調を報告して指示を受けてから受診してほしいということです。

■嗅覚に異常がでたら？

また、嗅覚に異常出た場合の見分け方も聞きました。「鼻詰まりがない」にもかかわらず、においを感じない場合は新型コロナの可能性があるということです。一方で、「鼻詰まり」の影響でにおいを感じにくいということであれば、花粉症の疑いがあるということです。

今後、花粉症対策に加えて新型コロナの対策も行う必要があります。呉医師は、普段から目や鼻をこすったり、鼻をかんだりする「前後」に手を洗ったり、消毒したりするように心がけてほしいと話していました。鼻をかむ「前」の消毒は自分のためです。もしもウイルスがついた手で粘膜を触ったら、感染してしまう危険があります。そして、鼻をかんだ「後」の消毒は人のためです。もしも自分が感染していたら、鼻水などからウイルスが手について、それを人にうつして感染を広げてしまう可能性があります。

職場でパソコンやマウスパッドを共有している人もいるかと思いますが、使い終わるごとに消毒をするというのがエチケットです。花粉症の季節も新しい生活様式で乗り切りましょう。

（２０２１年１月２７日１６時ごろ放送　ｎｅｗｓ　ｅｖｅｒｙ．「ナゼナニっ？」より）