×

“国内初”ワクチン到着 接種へ課題は

2021年2月13日 14:45
“国内初”ワクチン到着 接種へ課題は

日本国内初となる新型コロナウイルスのワクチンが12日、厚労省の部会で事実上承認されました。成田空港には第一便が到着。医療従事者への接種が始まる見通しです。ただ、確保量はまだ限られ、接種できる人数が減らない特殊な注射器の増産が急がれるなど、課題も横たわります。

■厚労相「ワクチン確保へ全力」

12日夜に開かれた、ワクチンの有効性や安全性を審議する厚労省の部会で、ファイザー社のワクチンについて「承認して差し支えない」と判断されました。

「それは本当に歓迎したい」

菅首相はこう述べ、安心した表情を浮かべました。

田村厚労相
「ファイザーの新型コロナワクチン、特例承認することについて、『承認して差し支えない』という結論をいただきました」

接種は筋肉注射で2回。16歳以上が対象で、妊婦の接種も可能です。この判断を受け、14日にも正式承認される見通しです。

田村厚労相
「契約はしておりますけれども、実際問題、(ワクチンを)確保しなければいけませんので、これからも全力を尽くしてまいりたいと考えています」

■“第一便”空路で日本に到着

こうした中、12日には国内初となるファイザー社ワクチンの第一便が、ベルギーから成田空港に到着しました。今回は約37万回分とみられ、来週水曜日(17日)から医療従事者への先行接種が始まります。

ワクチンを載せたとみられるトラックが空港を後にすると、見送った空港職員らが拍手し、安堵(あんど)の表情を浮かべていました。

■「5回」しか…注射器メーカーは

ただ、課題もあります。厚労省は先月の自治体への説明では、1瓶で接種できる回数を「6回」としていましたが、今月9日に「5回」に減らす方針を明らかにしました。

どういうことなのか。国の要請で注射器を増産しているメーカーを訪ねました。

ワクチンに見立てた青い液体を入れて使ってみたところ、厚労省が確保している一般的な注射器の場合、先端が青くなりました。注射器と筒の隙間のデッドスペースに、液体が残ってしまうためです。これを特殊な注射器で試してみると、青い液体はほとんど残りませんでした。

一般的な注射器では無駄が生じて5回分しか取れず、接種できる人数が減る可能性がありますが、特殊な注射器を使えば6回分取れることになります。

厚労省は5回分で計画するよう自治体に示す一方で、特殊な注射器の増産をメーカーに要請しています。

(2月12日『news zero』より)