コロナ“収入減”“中退”…生活苦の大学生
飲食店の休業や時短要請でバイト代が激減し、大学生たちが困窮しています。国の調査によると、コロナによる中退や休学は5800人超。長く続くオンライン授業で学び、不安を募らせつつも、アルバイトのかけもちなどで生活費を確保する実態を取材しました。
■1年「オンライン授業」 強まる不安
この1年間、苦しんでいるのが大学生です。
都内の大学に通う3年生の鈴木さん(仮名)は、「今年度は1年通して、ずっとすべてがオンライン授業で終わりました。アルバイト以外は外に出ないです」と言います。
去年8月の前期授業の時は、テレビをモニター代わりにし、床に直接座って授業を受けていましたが、後期の今は部屋が“オンライン仕様”に様変わりしました。パソコン専用にデスクと椅子を購入し、すべて合わせて5万~6万円かかったそうです。
ラーメン店でアルバイトしている鈴木さんのバイト代は、時短要請の影響で激減しています。「緊急事態宣言前(去年12月)は(約)11万円あったのが、宣言後(今年1月)は4万円ぐらいに減ってしまいました。経済的にはもう、かなり限界が来ています」
4年生になるのを前に不安は募るばかりです。鈴木さんは「つらいですね。本当に、大学にこのまま行っていて大丈夫なのかな、っていう不安はすごく強くなりました」と胸の内を明かしました。
■日中に複数バイト 夜に“授業”
文部科学省の調査によると、去年4月~12月にコロナの影響で1367人が中退し、4434人が休学し、合計で5801人に達しました。最も多い理由は、経済的な困窮でした。
複数のバイトをする学生もいます。
バイトを3つかけもちする大学2年生の大畠さん(20)は「保育園と、飲食店のデリバリーと、レンタカーの接客のバイトをしています。居酒屋のバイトが休業になったので(別のバイトを探した)」と言います。
自分で家賃や食費などの生活費をまかなうため、日中に複数のバイトをかけもちし、大学のオンライン授業は録画して夜に見る生活が続いたといいます。
大畠さん「勉強時間の確保と、お金の面での両立が大変だなと思います。(生活費が)どうしても足りない時は、祖父母に頼んで援助してもらっています。余裕が欲しいです」
(2月22日『news zero』より)