検索データ分析 10年ボランティア変化は
東日本大震災と福島第一原発事故から、まもなく10年を迎えます。「news zero」は国内でおよそ8000万人のユーザーがいる「ヤフー」と組んで、ネット検索など様々な「ビッグデータ」を分析しました。
その第1弾、テーマは「ボランティア」です。この10年で「ボランティア」という言葉がどれだけ、そしてどういう言葉と一緒に検索されたのかを調べることで意識や行動の変化が見えてきました。
ヤフー・データソリューションの分析によりますと、東日本大震災の直後、2011年に「ボランティア」の検索数が「最大」になったことがわかります。東日本大震災の時、現地の人たちが「災害ボランティアセンター」を開き、被災された方々とボランティアをつなぐ役割を果たしました。当時は各地の社会福祉協議会が設置したボランティアセンターだけで187か所に上ったといいます。
そして2011年のあとも、「ボランティア」の検索数はところどころで上昇していることがわかります。それぞれの年の「3月11日」に、そして2014年には広島で、2015年には鬼怒川が決壊した「豪雨災害」があり、災害が起きるたびに関心が高まっている様子がみられます。
その後も見てみると、やはり、検索数は災害が起きる度に上昇していますが、注目したいのは2018年。ひときわ大きくグラフが伸びています。2018年8月、スーパーボランティア・尾畠春夫さんが、行方不明になっていた2歳の男の子を発見し、保護しました。この直後、ボランティアという存在がひときわ注目されるタイミングになったのです。
また2015年以降は、「ボランティア」が「大学生」や「オリンピック」と一緒に検索されるパターンが増えていることがわかりました。全国社会福祉協議会の小川耕平さんによると、この10年で、「ボランティア活動」に対する「ハードルが下がってきた」のではないかといいます。
東日本大震災の前はボランティアというと「社会奉仕活動」というイメージで敷居の高さもありましたが、たとえば、現在では大学に「ボランティアセンター」を設置するケースも増え、災害が起きれば「ボランティアバス」も運行、SNSでつながって、一緒にボランティアを、というケースも増えました。
「できる人ができるタイミングでできることを」。それだけで、様々な支援が可能になるといいます。