20代女性1人に“アナフィラキシー症状”
新型コロナウイルスのワクチンの接種は、今月5日夕方までに医療従事者4万6469人に行われましたが、厚生労働省によりますと、5日に接種を受けた20歳代の女性1人に、アナフィラキシーの症状が見られたという報告があったということです。薬の投与後、症状は改善したということです。
厚労省によりますと、20歳代の女性は今月5日に、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた後、約25分経過した時点で、じんましんが発生し、その後、せき、発熱、血圧低下、息苦しいなどの症状が見られたということです。薬を投与し、症状は改善したということです。アレルギーなどの基礎疾患の有無は調査中です。
担当の医師は、ワクチンとの因果関係があると評価し、国に報告しました。厚労省の医薬品に関する安全対策調査会の岡明会長は「適切な治療が行われ、症状は軽快している。これまでの治験等でも、頻度は低いが、同様の(接種後15分以上たって初期症状発現)報告があり、15分経過後も注意する必要がある」とコメントしました。
厚労省の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の森尾友宏会長は「約4万6000人へ接種された時点で、2例目の報告となるが、さらに症例についての情報を収集し、審議会で評価を行うとともに、今後の医療従事者等への接種の中でも事例を広く集め、日本におけるアナフィラキシーの発生頻度や、発症者の背景などについても明らかにしていく必要がある」とコメントしました。
アナフィラキシーとは全身のじんましんなどに加え、息苦しさや血圧低下、意識を失うなどの症状が出る重いアレルギー症状のことで、アドレナリンをすぐに注射することで症状を改善できます。