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【単独】星出彰彦宇宙飛行士 インタビュー

2021年3月11日 15:02
【単独】星出彰彦宇宙飛行士 インタビュー

来月22日以降に、アメリカの民間宇宙船「クルードラゴン」2号機で、ISS(=国際宇宙ステーション)に向かう星出彰彦宇宙飛行士。今回が3度目の宇宙飛行となる星出さんは、日本人2人目のISS船長を務める予定です。

その星出さんに、11日、日本テレビが単独インタビューを行いました。ノーカットでお伝えします。

■Q.今回、野口聡一宇宙飛行士たちは、ベビーヨーダのぬいぐるみを持って行ってたが、チームとして持って行きたいか。

■A.ベビーヨーダは、ソユーズ時代のなごりで、無重力になったことを示す無重力インディケーターの位置づけですね。クルードラゴンに載せて行ってます。我々も何か使うことになりますが、それは見てのお楽しみということで。

■Q.地球にいるうちにしておきたいこと

■A.そうですね。なんですかね…まず部屋の片付けをやらなきゃいけないのかっていうのはありますね(笑)それくらいで、あとはこれっていうものはないかもしれないです

■Q.地球に帰ってきて1番にやりたくなることは?

■A.前回のミッションの時に帰ってくる時に思ったのは、帰ってくる前はラーメン食べたいとか、お酒…ビール飲みたいとか言ってたんですけど、帰ってきた初日に、それを聞いて日本から来てくれたJAXA(=宇宙航空研究開発機構)の人が「はい!」ってビールくれたんですけど、ちょっとまだ体が戻って無くて、さすがに飲めなかったです。6か月くらいですかね

■Q.宇宙で東京オリンピック・パラリンピックを見る予定は?

■A.宇宙にいる間は、4か国の飛行士が一同に宇宙にかいしていることになるので、みんな楽しみにしていますね。自国の応援とか、きっと金メダルとった国は、他に自慢することになると思いますけど、時間の関係で我々も仕事をしていますので、四六時中、情報を見ることはできないですけど、夕食の時とかみんなで話をしながら、今日はどういう競技でどこが勝ったみたいな話題になるんじゃないかなと。楽しみにしています。

■Q.楽しみにしている競技、応援している選手は?

■A.全てのアスリートがこの大会を目指して、今まさに練習をしていると思うので、全ての競技、全てのアスリートの方を応援したいと思っています。でも、自分の競技経験上、私、中学・高校と水泳部だったので、水泳は1つ注目かなと思ってます。あとは、ラグビーもやってました。7人制ラグビーとか注目したいと思います。

■Q.今回、まだ決まってないと思うが、船外活動への意欲は?

■A.今、計画上、4回くらい船外活動する可能性がありまして、全体で。そこに誰が実際やるかは、まだ決まってないし、計画自体が変わる可能性はありますけど、全員がそれに向けた訓練をしているので、外に出ることになったら、しっかり仕事をしてきたい

■Q.船外活動は過酷と聞くが、船外活動はどういった作業?

■A.実際外に出ている時間は6時間半とかありますけど、その前の準備段階が数時間ありますし、結局1日仕事で、食事もままならないと。ここ(胸のところ)に水筒があるので、水筒をストローで吸うくらいしかないんですけど、それ以外は本当にもう体力勝負の世界ですね。

8時間ずっと、6時間半とかずっと動きっぱなしの作業なので、体的にはすごく過酷です。あとやっぱり、頭も使うんですよね。次の作業は何だろうとか、自分の身の回りの状況を把握しながら的確にやる必要性があるので、やっぱり、頭も非常に使って、メンタルも疲れる作業になります。

■Q.ISSから1歩外に踏み出すのは、とてもすごい瞬間だと思うが、どんな感覚や気持ちになるのか?よりふわっとするもの?

■A.よりふわっとはしないかもしれないですけど、外には仕事をしに行けくので、なかなか頭の中は仕事モードなんですよね、やってる間。でも、ふとした瞬間に地球を見ることができたり、宇宙を見ることができたりという時には、目の前を遮る人工物がないと、本当に素晴らしい風景が目の前に広がっているっていう感じです。

私も1回目の船外活動の時に、国際宇宙ステーションの1番前に出て、宇宙ステーションが全部自分の後ろにあったかたちなので、目の前に遮る人工物が全くないと。宇宙と地球しか見えないという状況があったんですけど、その時に、本当にもうこの時間を独り占めしたいくらい、美しい風景でした

■Q.日本のみなさんに注目してほしいところやメッセージ。

■A.今回クルードラゴンの2号機ということで、クルードラゴンとしては有人飛行3回目になります。民間の宇宙船で宇宙に行ける時代っていうのが、いよいよきたなということで、より多くの方、職業宇宙飛行士だけでなく、より多くの方々が宇宙に行ける時代のスタートかなと思っています。

なので、みなさんに、より宇宙を身近に感じていただいて、宇宙に出て行って、いろんなアイデア・文化、いろんなものを創っていってほしい。その先には、月とか火星とかの時代がありますので、ぜひ、次の世代、子供たちの世代はそこを目指して頑張ってほしいなと思います。