ゴミ削減へストロー進化“アメ型”の味は?
日本が、世界が取り組むSDGs。every.ではミンナができることを考えます。2回目は「ストロー」についてです。スターバックスでも先週、洗って使いまわせるストローを発売しましたが、プラスチックゴミを減らすため、来年からは、コンビニや飲食店でのストローの有料化が検討されています。こうした中、進化するストローを取材しました。
千葉・習志野市のカフェ。東京湾に近いこの場所で一足先に始まっている取り組みが。
店員「紙ストローが1本10円で有料になります」
こちらではいち早く、2019年の4月にプラスチックストローを廃止し、紙ストローに。有料で提供しています。取り組んでいたわけ、それは、このカフェの前に広がる干潟に流れ着いたゴミでした。
案内されたのは、サギなどが生息する谷津干潟。美しい景色ですが、ここに、東京湾などから流れ着いたゴミが漂着。
谷津干潟自然観察センター・広報 小山文子さん「こうやってかき分けるとどこでも小さいのが見えてくると思いますけど」
潮がひいた場所で砂をすくい、水を入れてみると浮き上がるのが、小さく砕けたプラスチックゴミもたくさん見つかりました。こうしたゴミを生き物が食べてしまう危険があるのです。
小山文子さん「プラスチックはどんどん砕けていって。生き物にも影響が出ますし。(プラスチックの)ゴミはない方がいいだろうなと」
プラスチックストローを減らそうという取り組みは、大手飲料メーカーでも。先月からの季節限定商品。一見すると変わりはありませんが、実は紙でできたストローなのです。カゴメの飲料で紙ストローを使用するのは初めてのことで、耐久性や安全性も考慮したといいます。
カゴメ広報担当・太田里彩さん「今後も、環境に配慮した商品を提供していきたいと考えています」
そして実は今、紙ストロー以外も続々と登場。「銀座ロフト」のストローのコーナーには、驚くくらいたくさんの種類があります。
太さや色の異なる金属製のストローや竹でできたものなど。その数、なんと30種類ほどの「マイストロー」が。中には、洗えるようにブラシがセットになっているものもあります。2019年から売り場面積を拡大したということです。
銀座ロフトMD担当・小野佳幸さん「以前は使い捨てのタイプ、紙ストローとかプラストローというのが主なお問い合わせだったんですけど、最近では圧倒的に使い捨てでないタイプのお問い合わせがほとんどになってきております」
一方、一足早くプラスチックストローをやめたイギリスでは、持ち歩き用のストローを使ってドリンクを楽しむ人も増えています。
胸ポケットに入るサイズの折りたたみ式ストロー。およそ半年前にプラスチックストローの製造を禁止したイギリスでは、マイストローを持つ人が多いのだといいます。
「私はステンレス製のマイストローを持っていて、旅行に行くときも持って行きます」「今ではマイストローを持って出かけるのが普通です」
先ほどの折りたためるストローは、スーパーでも売られています。
The Last Company マシュー・グエン代表「自分用に購入したあとに気に入って、友達や家族へのプレゼントとして 購入される方も多いです」
イギリス発のマイストローは現在20か国以上で販売。これまでにおよそ10万本売れているということです。
こうした中、日本でも様々なストローが生まれています。スープ専門店で、ドリンクを注文したときに提供されているものは、それまで捨てられていたサトウキビのしぼりかすを再利用した、地球に優しいストロー。
その使い心地は、「特徴的なにおいや味は、意外にもなにもありませんね。紙よりも素材がすごく薄くて、舌にあたった感じはプラスチックのストローとほとんど変わりがないです」とのことです。
飲み物に長く触れていてもふやけにくいといいます。さらに使用したストローを店舗で回収し、農作物の肥料などにすることで自然に返り、ゴミ削減にもつながっています。
スープストックトーキョー・江澤身和副社長「使ったあともゴミにはならず、循環をまわせるというところも私たちのやりたいこと」
そして、こんな斬新なものまで。自身で1000種類以上のマイストローを持っている、自称ストローマニアの野村さんが開発したのは。
ストローマエストロ・野村優妃さん「こちらはアメでできた食べられるストローです」
ガラス細工のようにも見えるかわいらしいストロー。なんと、アメでできているというのです。そのお味は、「味は氷砂糖のような優しい甘みを感じます。紅茶にも優しい甘さが溶け出してだんだん味の変化を感じますね」
使う人が笑顔になる、かわいいストローを目指して自ら発案したといいます。このストロー最大のこだわりは、ゆっくり溶けていく甘さを味わうもよし。好きなタイミングで食べるもよし。ストローを最後まで楽しむことができます。
野村優妃さん「食べられるだったりとか、ドリンクごとにストローを選ぶだったりとか、ある意味トッピングとかアクセサリーとしてストローを提案していきたいと思っています」
ストロー1本でも意識を変えてみると私たちの日常が変わるきっかけになるかもしれません。