SDGsを身近に 高校生団体50cm.
つながるOha!4、特集『SDGsとつながろう!』を、お伝えしていきます。SDGsに取り組んでいる高校生グループ「50cm.」の皆さんの活動について、杉原凜キャスターが取材しました。
◆3年前に高校生たちが自ら結成「50cm.」とは?
今回話を聞いたのは、都立国立高等学校2年生の中山太洋さん(17)。「50cm.」のプロジェクトリーダーです。
杉原キャスター「そもそも『50cm.』は一体どんな団体なんですか」
中山太洋さん「『50cm.』というのは、SDGs達成に向けた活動をしている高校生だけの学生団体です」
自分たちの手の届く、身の回りの半径50センチから意識を変えていこう。そんな思いから3年前に高校生たちが自ら結成し、“気軽さ”にこだわり、現在は5つの高校から16人が参加。自主的に活動しているそうです。
中山太洋さん「スウェーデンの環境活動家にグレタ・トゥーンベリさんという18歳の少女がいます。全員がグレタさんになる必要はない。小さなことでもSDGsに貢献できるようなきっかけをつくる。背中を押せるような存在でありたい」
◆コロナ禍で新しく始めたことも
まずは手の届く範囲から。これまでに、討論会の開催や、SDGsの普及動画を作ってきたという学生団体「50cm.」。実は、去年から続くコロナ禍で、新しく始めたこともあるんだそうです。
中山太洋さん「一つ目は『毎日投稿』。毎日投稿では毎日メンバーが、自分が興味のあるSDGsに関するテーマを選んで、それについて記事を書きます。Facebook、Instagram、Twitterで共有、シェアをしています」
SNSに投稿される内容は、すべてSDGsの17の目標に関することだそうです。例えば貧困や人種差別、気候変動といった大きなテーマから、ファッションや幸せに関する身近なものまで様々です。
『サイクリングとSDGs』というタイトルの記事を見てみます。SDGsのどこに関係しているのでしょうか?
中山太洋さん「サイクリングっていうのは、ながら運転をしない、交通事故に気をつけたり、運動不足の解消になったりすることが、3番の『すべての人に健康と福祉を』につながってきています。また、排気ガスを出さなかったり電気を使わないということが7番の『エネルギーをみんなに、そしてクリーンに』につながっていて、さらに二酸化炭素質量を抑えることで、13番の『気候変動に具体的な対策を』という3つの項目に当たる」
杉原キャスター「それは確かに、ちょっと小さなことですけど、やってみようかなって思えますよね。身近なものなので」
中山太洋さん「思いますね。やっぱりSDGsとか国連とか世界とか出ちゃうと、規模がでっかくて、自分に関係ないんじゃないかって思っちゃう人が本当に多いと思うんですけど、そうじゃなくて、みんなが身近なことの蓄積が変化につながる。みんなに知ってもらいたい」
「50cm.」のメンバーは興味のある分野がそれぞれ違うため、他のメンバーの記事を読むことでお互いの学びにもなっているといいます。
◆「50cm.」が伝えたいこと
そんな彼ら「50cm.」が伝えたいこととは?
中山太洋さんは──
「大人に、高校生なのにすごいね、高校生なのにそんなことができるの、と言われる。僕はそれを聞く度に、そうじゃないんだよなと思って聞いてる。高校生だからこういうことができてるのか。じゃあ大人だったら、こういうことができるんじゃないかと思ってほしい」
「SDGsの目標のサブタイトルで、誰1人取り残さないというメッセージがある。SDGsと知ってもらうのは、もちろん一つの目標。それだけじゃなくて、知ったからには、私はSDGsに向けて〇〇していると言える、そんな日本になってほしい」
「最終的に目指しているのは、SDGsは目標なので、SDGsという目標なしでも、みんなが持続可能な社会に向けて、何かしら取り組みをしている、努力をしている、そんな社会をつくっている日本をつくっていきたいですね」