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克行被告「情けない思いで証言聞いていた」

2021年3月31日 17:25

元法務大臣・河井克行被告の公判が3月31日に行われ、弁護側による被告人質問が行われました。

克行被告は、広島県の地元議員らに渡した現金について、買収の意図があったことを認めました。31日の被告人質問で、克行被告は議員辞職願を提出して以来、初めて胸元に議員バッジをつけて出廷しました。

31日の法廷では、広島県の地元県議や市議、首長らに現金を渡した目的について述べ、「河井案里の参議院選挙に対して、少しでも良い効果、影響を及ぼしていただきたい、そういう願いがあったことは否めません」と、買収の意図があったことを認めました。その上で、「それよりも、それぞれ固有の事情の方が、私の心の中では圧倒的に大きく存在しておりました」と述べ、買収は主な目的ではなかったとしました。

「固有の事情」については、案里元議員の党勢拡大活動や地盤培養行為に協力してほしいという思いや、広島政界で仲間作りをしたいという目的、また、県連で重要な役職に就くための布石だったことなどを挙げました。そして、「政治的な行事が何も無い時に、地方議員の皆様にお金を差し上げると、政治的にはかなり警戒をされます」と述べ、統一地方選挙と参院選の機会に乗じて、現金を渡したとしました。

証人として出廷した地方議員らが、「現金の受け取りを拒否したら、陳情を聞いてもらえないと思った」という趣旨の証言をしたことについては、「私はこれまで30年間、自分の人生をひたすら、ふるさとの発展のためにのみ、ずっとささげてきました」「よくもああいったことが、この場で言えたもんだなと」「陳情を私が妨害するとか、顧みないとか…本当に情けない思いで証言を聞いておりました」と声を震わせ、怒りをあらわにしながら反論する場面もありました。

【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件 克行被告公判(3月31日)