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危険度A「バス停」都内20か所…潜む死角

2021年4月2日 10:07
危険度A「バス停」都内20か所…潜む死角

今週、国土交通省は安全上の問題があるバス停が全国で1万195件あると発表しました。中でも、バスが原因の人身事故が発生するなど“最も危険度が高い”「Aランク」のバス停は都内に20か所あります。一体、どのような危険が潜んでいるのでしょうか、現場を取材しました。

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バスの横を車が通過する次の瞬間、突然人の姿が…。非常に危険なバスの死角からの飛び出し。バス停に関して、今週、赤羽国土交通大臣は――。

赤羽国交相「安全上問題のあるバス停は、合計1万195件になります」

全国に1万件以上も安全面で問題のあるバス停が存在すると発表しました。その一つが、東京・大田区にあるバス停。どこにでもある普通のバス停に見えますが、バスが到着すると…。バスが停車すると横断歩道をふさぐ場所にバス停があるのです。

そのため、番組スタッフが横断歩道の前に立ってみると、反対車線を走行する車から姿が確認できるのは横断歩道にさしかかる直前。バスが死角となり、横断者の姿を確認しにくくなっているのです。

実は、全国で1万か所以上ある安全上問題があるバス停の中で、この場所は安全対策の優先度が最も高い「Aランク」。Aランクに該当するのは、過去3年以内に停車したバスが原因となる人身事故が発生しているバス停や、この場所のようにバスが停車した際に横断歩道に車体がかかるバス停など。

近所の人「(バスの)かげに隠れちゃって、渡りづらいというのはあります。対向車線が見えなくて」

取材中にも――。バスのかげから出た横断歩道の真ん中で、対向車を確認する親子が。当然、住民からはバス停の移設を求める声も。

近所の人「どこか、もうちょっと安全なところに(移設してほしい)」

しかし、私たちがバス会社に聞いてみると――。

京浜急行バス「バス停の移設は検討しているが、行政や地元住民との調整が必要。横断歩道を移動させる考え方もあるが、そうなると警察との調整も発生するため、簡単ではない」

バス停の移設は検討しているものの、バス会社の一存では決められないということです。

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国交省の発表によると、今年1月29日時点で都内に20か所あるという“最も危険度が高い”Aランクのバス停。

一方、すでに対策がとられたAランクのバス停も。杉並区にあるバス停は、去年、住民などの了承を得て30メートルほど移動させたということです。

別の対策をとったところも。

神奈川県横浜市にあるバス停、「新井小学校下」は“2番目に危険”な「Bランク」。元々は狭い道路沿いにあったバス停。しかし今年2月、道路が拡張され、バスがすっぽりと入るスペースができました。

バス停の隣に住む久保田重雄さん。現在、元々、久保田さんの土地だった場所を、バス停を移設するため売却しました。久保田さんの親が育てた植木を撤去してでも土地を提供した理由、それは20年ほど前の事故にありました。

久保田重雄さん「(約20年前に)子供が亡くなるという事故が、こちらで起きたんです。忘れられるものではないです」

家の目の前で起きた、バス停での小学生の死亡事故。

久保田重雄さん「(バス停の移設は)みなさんの安心安全につながるということから、(土地を売却する)決定に至りました」

全国にある安全上問題のあるバス停。悲しい事故をうまないために、各地で見直しが進められています。

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