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【解説】何が変わる? 新型コロナ「5類」移行が正式決定 医療費やワクチン接種の負担額はいくらに

2023年4月28日 22:16
【解説】何が変わる? 新型コロナ「5類」移行が正式決定 医療費やワクチン接種の負担額はいくらに

いよいよ5月8日から、新型コロナウイルスの分類が「5類感染症」に移行しますが、これによって具体的に何がどう変わるのか。

◇療養期間も“個人の判断”
◇自己負担いくらに?
◇ワクチンに“空白期間”

以上の3点について詳しくお伝えします。

■5月8日に移行 季節性インフルエンザと同じ扱いに

27日、厚生労働省の感染症部会で、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけをゴールデンウイーク明けの5月8日に「5類感染症」に移行させることが正式に決まりました。

現在、新型コロナの分類は「2類」に相当します。2類というのは重症化リスクや感染力が高い「結核」などが該当するものですが、これが「5類」になると「季節性インフルエンザ」と同じ扱いとなります。国内で新型コロナの流行が始まってから約3年、大きな転換点を迎えることになります。ようやく「アフターコロナ」の暮らしがスタートするということです。

■「緊急事態宣言」「まん延防止措置」…発令なしに

では、5類になることで具体的に何がどう変わるのか詳しく見ていきます。まずは行動制限です。これまでは判断する主体は行政でしたが、これが個人や事業者が自ら判断する仕組みに変わります。

これまで何度も発令された「緊急事態宣言」「まん延防止措置」などのほかに、感染者や濃厚接触者への「外出自粛要請」などもできなくなります。

そして、感染した場合の療養期間については、これまでは発症翌日から7日間の外出自粛が求められていましたが、5月8日以降は“5日間は外出を控えることを推奨する”という考え方に変わります。学校の出席停止期間も同じですが、5日をすぎても症状がある場合は改善してから、さらに1日経過することが求められます。

■医療費は自己負担に 最大いくらになる? 

次に医療機関についてです。現在、新型コロナの症状がある場合は、感染症指定の医療機関や発熱外来を受診する必要があり、入院できる病院も限られています。これが5類になると、規定上はすべての医療機関で受診や入院できるようになりますが、一気にすべての医療機関が対応できるわけではないので段階的に拡大していくことになります。

そして医療費も変わります。これまで検査や感染がわかってからの診療や、入院にかかる費用は全額公費負担でしたが、5類になるとほかの病気と同じように自己負担に変わります。では、いくら払うことになるのか。政府は、仮に保険診療で窓口負担が3割の患者の場合、外来医療費は最大で4170円になると試算を出しています。

ただし、患者の負担が急に増えないように今年9月末までは、高額なコロナ治療薬については無料で提供します。また同じく、入院費が高額な場合は月に最大2万円を軽減する措置をとるとしています。それ以降は、感染状況などを見極めながらこの措置を継続するか検討するという方向です。

■ワクチン無料いつまで? 3回目以降“受けられない”期間も

続いてワクチンについても見ていきます。現在はワクチンを誰でも無料で受けられますが、5月8日以降も無料です。今のところ来年3月末までは無料と決まっています。

ただ、注意が必要なのは、5月8日から8月ごろまでの約4か月間、3回目以降のワクチンを接種できる人は、高齢者や基礎疾患のある人、医療従事者などに限られるということです。なので、これに該当しない人が3回目以降の接種を受けたい場合は、5月7日までに接種しないといけないということです。お手元の接種券を確認してみてください。ただ、9月以降はまた全員接種できるようになりますのでご安心ください。

さらに、連日お伝えしている新規感染者数の発表の仕方も変わります。厚労省が毎日行っていましたが、5月からは毎日ではなく週1回、金曜日のみとなります。最初の発表は5月19日金曜日の予定です。こうした週1回発表される感染状況を見て、私たちが個人で感染対策などを判断するという世界になってきます。

5類への移行に伴う変化、皆さんはどう受け止めているのか。調査機関「アイスタット」が4月に行ったアンケートによると、今後のワクチン接種について、「有料になっても受ける」という人は17.4%と2割弱にとどまっていました。「無料なら受ける」という人が半数以上の52.3%、「有料・無料にかかわらず受けない」という人が30.3%という結果になりました。

実際に、コロナ禍で定着した感染対策のうち今後も継続してほしいものを聞いたところ、「ワクチンの希望者は無料化」が43.0%と最も多くなっています。

また、みんなが気になっているマスクについても興味深い調査結果が出ています。マスク着用が自己判断になってから1か月半ほどたちますが、今も「常に着けている」人が38.0%、「状況に応じて着脱」が半数以上の56.7%、「常に外している」人は5.3%しかいません。“脱マスク派”は1割にも満たない、いまだにマスクを手放せない人が圧倒的に多いということが明らかになりました。

また、「他人がマスクをしていないことにイラッとするか」を聞いたところ、「そう思わない」が49.7%の一方、「そう思う」が19.0%で、2割近い人が他人の着用状況を気にしているという結果がわかりました。感染状況がだいぶ落ち着いたといっても、人それぞれ事情や価値観は違うので、お互いを尊重していきましょう。

   ◇

5類移行に先立って、29日からは水際対策も緩和され、日本もいよいよポストコロナの時代に本格的に突入します。私たちもこの3年間で得たさまざまな教訓を糧に、新たな日常生活を快適に過ごしていきましょう。

(2023年4月28日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)
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