“現金配布先リスト”克行被告「頭の体操」
元法相・河井克行被告の4月8日の公判では、検察側・弁護側・裁判所側の被告人質問が行われました。克行被告は、検察側が現金の配布先を示していると主張するリストについて、「頭の体操」と説明しました。また、議員歳費の一部の相当額を寄付する意向を示しました。
8日の被告人質問では、河井克行被告は、議員会館の克行被告のパソコンから押収された地元議員などの名前と「20」「30」などの数字が書かれているリストについて聞かれると、「党勢拡大活動、地盤培養行為などの趣旨で、地方議員の皆さんなどどういう方にいかほど差し上げようか頭の整理をしたもの」と説明。実際に渡した金額と数字が違うなど、あくまで「頭の体操」だと主張しました。
また、リストの保存先のフォルダーが「案里参議院議員選挙’19」であることについては、「政治的なファイルについては直近の選挙の名前のフォルダーにいつも集約して保存するというのが私の習慣ですから特段の意味はない」と述べました。
そして、弁護側から、このリストを妻の案里元議員に見せたことはあるかと問われると、克行被告は強く否定し、「もし見せたら立ち所に激怒してこっぴどく妻から怒られるということは火を見るより明らか」「私にとって一番怖いのは河井案里さんですから」と述べました。
また、今後の身の振り方については、「これまで私は外交安全保障を政治家のライフワークとして行ってまいりました」「もし社会のお許しが頂けるのならば、ぜひ日本国の独立と平和を守り抜いていく」「少しでも国家国民のために貢献をさせていただければと今、そのように考えています」と述べ、外交安全保障に関わる職に就きたいと考えていることを明らかにしました。
さらに、「今朝起きて、テレビのニュースをつけましたら、筆頭のニュースが参議院広島選挙区で今日がちょうど告示日」と切り出し、そのニュースを見て改めて罪深さを感じたとし、「もう本当に心がかきむしられるようないたたまれない思いでいっぱいになりました」と切実な口調で語りました。そして、「衆議院議員の歳費につきまして、衆議院に返納したいとずっと思っておりました」「逮捕してから辞職を認めていただくまでの相当額をしょく罪寄付として非営利団体に寄付をさせていただきたい」と述べました。
最後に裁判官から、今後、広島県に戻って、迷惑をかけた人々に謝罪を伝える意思はあるのかと問われると、「直接おわびを申し上げることを考えなかった日は1日もありません」「私にとっては1つしかないふるさとであります」「30年間にわたって政治家・河井克行を生んで育んで下さった広島の皆様に必ずおわびを言って歩かなきゃいけない」と涙ながらに述べ、被告人質問を終えました。
論告は今月30日に、最終弁論と最終意見陳述は来月18日に行われる予定です。
【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件 克行被告公判(4月8日)