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スパコンで可視化 「路上飲み」リスクは

2021年4月20日 8:42
スパコンで可視化 「路上飲み」リスクは

飲食店の時短営業もあり、駅前や繁華街の路上で集まって酒を飲む人が後を絶ちません。「屋外なら大丈夫」という声も聞かれる一方、スーパーコンピューターで飛沫が届く範囲をシミュレーションすると、そのリスクは一目瞭然でした。ごみの散乱も深刻です。


■外なら安全? 路上飲みする人の声

19日夜9時過ぎ、東京・高田馬場駅前では、酒を飲みながらマスクをせずに大騒ぎしている人たちの姿がありました。

東京・渋谷でも午後8時半過ぎ、乾杯して酒を飲む人たちがいました。

「まん延防止等重点措置」が始まって1週間。19日の東京の感染者は405人で、19日連続で前の週の同じ曜日の感染者数(12日は306人)を上回っています。東京都の小池知事は「路上飲みはやめていただきたい」と求めますが、飲みたい人は多くいます。

なぜ外で飲むのか――。渋谷で路上飲みをしていた20代の2人組に聞くと、「お店が午後8時に閉まってしまうということで、外の方が安全というのもあるので」「室内よりも換気ができているかな、という認識はあります」という答えが返ってきました。


■スパコン「富岳」 リスク可視化

外で飲むのは本当に安全なのか、スーパーコンピューター「富岳」を使って確認しました。理研・神戸大提供のシミュレーション映像によると、屋外でマスクを外して談笑している状況で、1人が大声を出すと、1メートル前に立つ人の顔まで、飛沫が届きました。距離を離し、1.7メートルの間隔を取っても、飛沫が顔にかかりました。さらに、毎秒0.5メートルと風が少し吹くだけで、広い範囲に飛沫が散らばり、真横にいる人にもかかっています。

路上飲みをしていた20代の2人組はこの映像を見て、「(飛沫が)すごい飛んでいますね。会話する時は(マスクを)絶対につけないとだめだなと思いました」「中とか外とか考えるのは、浅はかだなと(思いました)」と話しました。


■大量の空き缶…ごみ・騒音「苦情」

20日から、神奈川県や埼玉県などでも「まん延防止措置」が適用されます。

これまで、さいたま市でも駅前で地面に座り込んで飲んでいる人や、横浜市でもマスクをつけずに騒いでいる若者がいました。

路上飲みは感染リスクだけでなく、騒音やごみの問題もあります。池袋のある東京都豊島区の担当者は「『うるさい』との苦情が多く寄せられている」「ごみが多い時もあり、そうした苦情があるのも事実」と明かします。

19日夜9時過ぎ、高田馬場駅前では、至る所に、飲み終えた酒の缶が落ちていました。

東京・中野駅前にある花壇では17日、酒の空き缶が大量に捨てられていました。3月の緊急事態宣言中も駅前のベンチにごみが散乱していました。この様子を撮影した人は「朝の清掃の仕事をしているので、その時につい、汚れている街が気になって写真を撮りました。(見るようになったのは)最近です。あれを見た時は、ひどいなという言葉しか出ないです」と声を落としました。

(4月19日『news zero』より)

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