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「ひきこもり」3年超で長期化の可能性も――家族が陥りがちな考えとは? 大人を支援のNPO法人、最初の1年は「待つ期間」

2022年6月14日 10:27
「ひきこもり」3年超で長期化の可能性も――家族が陥りがちな考えとは? 大人を支援のNPO法人、最初の1年は「待つ期間」
本人と家族の「ギャップ」とは?

ひきこもりは、3年を超えると長期化の可能性があると言われています。大人のひきこもり支援をするNPO法人によると、1年目と2~3年目では有効なサポート方法が異なります。都道府県などには専門窓口があり、早い段階で第三者に相談することが大切です。

■ひきこもり、25.7%が「10年以上」

有働由美子キャスター
「2021年度の江戸川区の『ひきこもり実態調査』によると、ひきこもり状態になってからの期間が『1年~3年未満』という人が28.7%で最も多く、次いで多いのが『10年以上』という人で25.7%でした」

「このことから、ひきこもりが3年を超えると長期化する可能性があると指摘されています。では、周りの家族などはどうすればいいのでしょうか?」

■支援のNPO法人「1年目は待つ」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「最初の3年間が肝心です。大人のひきこもりの支援を行っているNPO法人『ニュースタート事務局』の担当者に話を聞きました。18歳未満の子どもを除いた大人のひきこもりの支援はどうすればいいのでしょうか?」

「最初の1年は『待つ期間』です。今はひきこもっていていいよ、という期間です。本人が傷ついている時は、そっとしてほしいこともあります。家族は本人を否定せず、『つらいんだ』と理解して、家の居心地を良くして本人の回復を待つ期間です」

「ただ、このままずるずると行ってはいけません。1年たっても自力で動き出せない場合、2~3年目は『積極支援に乗り出す期間』になります。そろそろこのままでは良くないよね、と働きかける期間です」

「可能な範囲から一緒に外出してみる、家事の手伝いで成功体験を積ませるなどです。本人にはまらない支援を続けても意味がないので、支援の仕方をいろいろ変えることが大事だということです」

■本人と家族の「ギャップ」とは?

有働キャスター
「本人に何が合うのかを、家族も一緒に考えていくということですね」

小野委員
「そのためにも、本人と家族が同じ方向を向いていることが大事ですが、調査した江戸川区によると、ギャップも少しあるようです」

「本人は『何も必要ない。今のままがいい』と感じていたり、『自分の体のことや精神面で専門家に相談したい』と考えていたりする人が多いのに対して、家族はとにかく『友達づくりが必要だ』『自立へのきっかけづくりが必要だ』と優先して考えがちだといいます」

「第三者(の存在)がとても大事です。江戸川区でも家族などが相談できる窓口を設けています。同じ悩みをもつ家族同士が話し合う場もつくっているそうです」

「(新型)コロナ(ウイルスの影響が出て)以降、リモートワークなどが増えています。ひきこもりとまではいかなくても、『今日も一歩も家から出なかった』ということは増えていませんか? 今、誰もが孤立化しやすくなっています」

「家族などが早めに本人の異変に気づいて、早い段階でどう支援するか相談することが大事だといいます」

有働キャスター
「その相談先ですが、全ての都道府県や政令指定都市には、『ひきこもり地域支援センター』があります。ひきこもりに特化した窓口で、ご自身やご家族、どなたからでも相談可能です。お住まいの自治体のホームページを確認して、一度相談してみてください」

(6月13日『news zero』より)

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