ネットで“人種差別” 投稿者に賠償命令
在日コリアンの母親を持つ大学生が、インターネット上で差別を受けたとして損害賠償を求めていた裁判で、東京高裁は差別的な内容を書き込んだ投稿者に対し、130万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
在日コリアンの母親を持つ大学1年生の中根寧生さんは、中学3年生の時に、インターネット上のブログに差別的な内容を書き込まれたとして、投稿者に対して300万円の損害賠償を求めていました。
一審判決では、投稿内容について「人種差別に該当する」として、投稿者に対し91万円の損害賠償を命じていました。
そして、東京高裁は12日の判決で、「中学3年生という多感な時期にあった」「精神的苦痛は多大」「成長にも悪影響を及ぼしかねない」として、賠償額を増やし、130万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
原告の中根さんは、「差別を無くし社会をよくする希望になる」「抑止効果の一歩につながってくれたらとても嬉しいです」と語る一方で、裁判で被害に向きあうことについて、「胸がしめつけられるように本当にしんどかったです」と話しました。
中根さんの弁護士は、1回の投稿に対する損害賠償の額としては画期的だとした上で、裁判をすれば解決できるという認識を持つのではなく、差別禁止法など法制度をつくることが必要だと訴えました。