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電車・タクシー 「変動料金」で変化は?

2021年6月2日 11:24
電車・タクシー 「変動料金」で変化は?

需要によって料金が変動する「ダイナミック・プライシング」。電車やタクシーでの導入について、国が検討することになりました。お得になるのか、負担増になるのか、便利なサービスは登場するのか―。身近な生活の足だけに、課題も多くあります。

■時間帯で料金変化? 通勤は?

有働由美子キャスター
「利用する時間帯で電車やタクシーの料金が変わる制度の導入について、国が検討を始めることを決めました。利用者にとって得になるのでしょうか」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ダイナミック・プライシングという、客足に応じて料金を変動させるものです。旅行業界ではすでにあり、飛行機やホテルの料金はゴールデンウイークや年末年始には高くなりますよね」

有働キャスター
「それを通勤電車やタクシーでも同じようにやるのでしょうか」

小野委員
「そうです。例えばJR東日本やJR西日本が検討しているものでは、ラッシュの時間帯は高めにして、その分、平日の昼間や休日は安くする、そのことで混雑を緩和しましょうという考えです。タクシーも、雨の日や終電後など需要が多くある時は高くする。逆に空車が多い平日の昼間は安くする。そうすると平日の昼間の時間帯の利用が増えるかもしれません」

■タクシーは年内にも「実証実験」

有働
「その時々で料金が変わってくるのですね」

小野
「そうなってしまうので、例えばスマホでタクシー配車アプリを見れば、今の料金が表示されるシステムができるかもしれません。『いま安い、乗ろう』というイメージです。タクシーは年内にも実証実験を始めたいということです」

有働
「導入されれば、毎日の生活にかなり影響が出そうですよね」

小野
「課題は多いです。タイミングさえ合えばお得ですが、通勤や通学などでどうしてもラッシュの時間帯に乗らなければならない人には、負担増でしかありません。障害のある人や高齢者で、タクシーを頼りにしている人も多くいます」

■落合さんに聞く…「社会」変わる?

有働
「そういうケースもありますが、落合さんは賛成反対で言うと、どちらでしょうか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「僕は賛成ですね。どんどんやった方がいいと思います」

有働
「それはどうしてですか?」

落合
「価格改定は、年間単位でしかほとんど変わらない。つまり、時間の方向の変化というのが、早めに改定できるようになると、その時に値段や数値が自由に変わっていくというほうが、政策を決めるにしても、企業が方針を決めるにしても有利になります。例えば30秒に1回しかブレーキを握れない自転車は、すぐ事故になりますよね。金額を変えられるほうが有利ですね」

有働
「一方で利用者にとって分かりやすい方法は、どんな工夫が考えられますか?」

落合
「とにかくスマホでデジタル化していくことが重要で、そうでないとダイナミック・プライシングはできません。加えて社会的に弱い人にどうやって給付するのかということと、セットではないでしょうか」

有働
「そのあたりも気になります」

(6月1日『news zero』より)