苦境のホテル業界 お得、新サービス続々
外出自粛が長引き、利用者が減っているホテル業界。苦境が続くなか、活路を見いだそうと、お得なサービスや新たな取り組みが続々と登場しています。
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カーテンを開けると、東京タワーを一望できるホテルの1室。都心に位置しながら、部屋の広さは50平米とゆったり。この贅沢な部屋がいま…。
アンダーズ東京宿泊部長・小沢文隆さん「(通常より)半額以上お得なプランとなっております」
1週間連泊できるプランを提供。長期滞在にすることで通常よりも1泊あたり、半額以下で宿泊できるといいます。
小沢文隆さん「ホテル業の稼働が非常に落ち込んでいるなかで、起爆剤という内容のものが必要ではないかと」
自宅での生活にストレスを感じ、自宅以外で過ごしたいという要望を受け販売を開始したところ、予約は好調。販売期間を延長したといいます。
また東京・品川駅前にあるホテルでは…。
フロントスタッフ「ご宿泊にご利用できるチケットでございます」
30枚のチケットが1つづりになった回数券を24万円で販売。ホテルのランクによって、必要なチケットの枚数が変わります。例えば、こちらの品川プリンスホテルなら、チケット1枚で1泊することが可能。回数券を利用することで、4割ほど安く滞在できるといいます。回数券は、都内にある7つの系列ホテルで利用可能だということです。
プリンスホテル マーケティング統括支配人・林佳代さん「連泊プランは以前からご用意しているんですけれど、このようにホテルを横断的に利用できることに大変よろこんでいただいております」
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地方ではこんな声も。
長野にある老舗旅館。先月の売り上げは、前年に比べ7割ダウンしたといいます。いま期待しているというのが…。
梅の湯・中野清支配人「5000円の金額はいいんじゃないかなと」
政府が4月1日から行う旅行への財政支援です。感染状況がステージ2以下に該当する都道府県に対し、1人1泊あたり最大5000円を支援。
中野清支配人「ワーケーションというのは、ワーキングとバケーションの2つが集まった言葉」
長野県は支援の対象となるため、テレワークなどでの利用も含め、客の増加を期待しているということです。
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その一方で、異業種に転換したホテルも。
東京・日本橋にある一見普通の会議室。そこには…。
日本テレビ・吉田健太記者「シャワー室があります」
実はここ、元々ホテルだった場所をオフィスに生まれ変わらせた施設。
施設所有会社の担当者・玉川透さん「コロナ禍によりまして、インバウンドの需要が低下している。“大人数で泊まる”という形がアフターコロナで受け入れられるかどうか、今回の改修に至った」
海外からの宿泊客を見越し、5年前に大部屋を中心としたホテルをオープン。しかし、コロナにより状況が一変。海外からの客が見込めなくなり、今月、オフィスとしてリニューアルしたのです。“元ホテル”を生かした開放的なデザインが特徴となっています。
10日ほど前から利用する人は…。
オフィス利用者「会社の事務所が近くにあるんですけど(従業員の)人数が増えてきて。近場に手軽な感じで入れるところないかなと探していて」
会社での密を避けるため、このオフィスを借りていました。
感染収束のめどが立たないなか、生き残りをかけ、新しいサービスを打ち出しています。