五輪「陛下が感染拡大懸念と拝察」なぜ今…
東京オリンピックまで1か月を切る中、宮内庁の西村長官からこんな発言が飛び出しました。
西村宮内庁長官の発言(24日)
「天皇陛下は、現下の新型コロナウイルスの感染状況を大変心配されている。国民の間に不安の声がある中で、オリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、懸念されていると拝察する」
会見で述べたのは、東京オリンピック・パラリンピックの名誉総裁を務められている天皇陛下の思いです。
この発言に、街の人は─。
会社員(25)
「発言することで、それだけ重要なことなんだなと。(開催に)不安はあります」
会社員(25)
「しっかり感染が拡大しないように管理した上での開催を望みます」
加藤官房長官は─。
加藤官房長官
「宮内庁長官のご自身の考え方を述べられた、と承知をしております」
あくまでも、西村宮内庁長官自身の考えであるとの認識を示しました。
◇◇◇
天皇陛下は、新型コロナの影響を、いつも心配されていたといいます。
日本テレビ宮内庁担当・笛吹雅子解説委員
「陛下は常々、国民の安全や感染拡大の影響を心配し、皇室行事でもここが感染拡大の場にならないことをとても気にされてきました」
今年に入ってからの陛下のおことばを振り返ってみると…。
新年ビデオメッセージ
「(この1年)未知のウイルスの感染拡大による様々な困難と試練に直面してきました」
誕生日会見(今年2月)
「この1年はコロナ禍に翻弄されてきました」
3日前、21日にも─。
「(コロナという)この試練を乗り越えるためには、なお一層、心を一つにして、協力していくことが大切です」
◇◇◇
実は、22日には、菅総理と直接面会されました。東京大会の感染対策などについて説明を受けられたとみられます。
こうした中での、24日の“長官発言”です。西村長官は、「陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで、感染が拡大するような事態にならないよう、関係機関が連携して感染防止に万全を期して頂きたい」と強調しました。
では、なぜこのタイミングで、「感染拡大につながらないか懸念されていると拝察する」と、発言したのでしょうか。
日本テレビ宮内庁担当・笛吹雅子解説委員
「宮内庁長官は、拝察『私はそうみていますよ』という表現を使っていましたが、陛下のお気持ちをよくわかった上で、発言していることは間違いないと思う」
「長官会見は2週間に1度ですので、今回のタイミングを逃しますと、開催のギリギリ直前になるということで、きょうの発言だったとみています」
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今回の発言に組織委員会の武藤事務総長は、「安全安心な大会を開催することが責務。その実現に向けて最善を尽くしたい」との見解を示しています。
6月24日『news zero』より。