アルバイト学生がスシローに「1分単位」賃金支払いなど要求 すでに導入する飲食店では…
回転ずしチェーン「スシロー」でアルバイトする学生が27日、会社側に「1分単位」での賃金支払いなどを要求して会見を開きました。賃金を「1分単位」にすると、どう変わるのでしょうか。今年から、“1分単位の賃金支払い”にした居酒屋を取材しました。
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27日、街でアルバイトをする人に「自分の賃金計算の単位を知っているか」を聞いてみました。
飲食店でアルバイト(20代)
「私は15分単位で。忙しい時間帯だとぴったりにはあがれなくて、5分延びちゃったり」
清掃業アルバイト(20代)
「1時間単位。微妙にずれることもあるので、刻んでもらった方がありがたい」
アルバイト先での勤務時間の単位を“刻んでほしい”との声も聞かれました。
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スシローでアルバイトをしている2人の大学生が27日、「飲食店ユニオン」と共に会見しました。
スシローでアルバイトする大学生
「会社に対し(要求しているのは)、過去の5分未満で給料を計算していた頃の未払い賃金の支払い」
「5分未満の賃金の切り捨てとか、非常に不満がありまして」
アルバイトの学生がスシロー側に求めた“5分未満の賃金の支払い”とは、どのようなものでしょうか。
賃金の支払いが「5分単位」の場合、例えば、勤務時間が午後9時までの人が「9時4分」に退勤すると、勤務扱いは「9時ちょうどまで」となり、実際に働いた「4分」は切り捨てられる形になってしまいます。
これを「1分単位」にすることに加えて、「過去に働いた“5分未満”の賃金も遡って支払ってほしい」と訴えたのです。さらに、手洗いや着替えなど始業前の準備についても、タイムカードを打った後の運用に改善するよう求めました。
スシローでアルバイトする大学生
「(午後)4時56分に打刻させられて、朝礼なんか始まって、でも賃金発生するのは5時からですから、相当な時間、毎日、切り捨てられていた」
飲食店ユニオンによると、こうした要求に対しスシロー側から先月、「当社では2022年9月より運用を改め、1分単位でカウントするようにしております」との回答があったといいます。
また、始業前の準備時間として「一律、3分間分を加算するようにした」といいます。ただ、過去の賃金の未払い分については、「遡って支払う考えはない」としています。
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賃金計算が「1分単位」になると、どう変わるのか、今年から「1分単位」にした居酒屋を取材しました。
午後6時からのシフトに入るホールスタッフは、午後5時56分に出勤すると、端末で「17:56」と打刻しました。
ホールスタッフ
「1分単位で打刻を管理しているので、早めに押しました。予定していたシフトより延びちゃった時とか、働いている側としては給料的な損がないかなと」
端末で「休憩時間」を押したキッチンのスタッフは、「無駄な時間がなく、また仕事に戻れるのでいいと思います」と話していました。
店側も、“勤怠管理のしやすさや、従業員のモチベーションアップにつながっている”と話します。
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「すかいらーくホールディングス」も今年7月から1分単位の賃金支払いにし、また「すき家」などの「ゼンショーホールディングス」や「ロイヤルホスト」の「ロイヤルホールディングス」もすでに導入しています。
スシローを運営する「FOOD & LIFE COMPANIES」は「news zero」の取材に対し、「まだ交渉の途中なのでコメントは差し控えますが、いただいた要求については誠心誠意対応して参ります」としています。
(10月27日放送『news zero』より)