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【解説】感染者数や検査数、正確に把握されず?「データと実態がかい離」とは

2022年2月10日 10:59
【解説】感染者数や検査数、正確に把握されず?「データと実態がかい離」とは

新型コロナウイルス感染拡大のピークアウトは、いつになるのでしょうか。厚生労働省の専門家会議でも9日、議論が行われました。一方、感染者などの報告に遅れが出ていて、感染状況の実態が把握しづらくなっている現状も見えてきました。詳しく解説します。

■「感染者数の増え方が緩やかに」本当にピークアウトする?

政府は、東京や愛知など13都県に適用している「まん延防止等重点措置」の期限を今月13日から3週間延長し、高知県にも今月12日から適用することを10日夜、正式に決定します。いずれも期間は来月6日までとなり、全国36都道府県に「まん延防止等重点措置」が適用されることになります。

9日、東京都で新たに1万8287人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。 前週の同じ曜日を下回るのは今年初で、昨年12月17日以来の約1か月半ぶりでした。

いよいよピークアウトするのか気になりますが、9日に開かれた厚生労働省の専門家会議でも議論になりました。脇田座長は次のように述べました。

厚労省アドバイザリーボード 脇田隆字座長
「減少傾向にはあるんですけど、このまま本当にピークアウトするかというところには議論があって、全国で新規感染者数の増加速度が鈍化していますけれども、療養者数・重症者数・死亡者数の増加は継続しています」

新規感染者の増え方は緩やかになってきたものの、重症者・死者の増加はまだ続いているということです。

■「データと実態がかい離」感染者数が正確に把握されず?

また「感染者数の増え方が緩やかになった」という評価の一方、脇田座長は「報告の遅れや検査のひっ迫で、公表されているデータと実態がかい離しているとの指摘もある」としています。

「データと実態がかい離している」というのは、つまり、感染拡大の実態が正確に把握されていない可能性があるということを意味しています。

なぜ、“かい離”している状態が起きているかというと、感染者数があまりにも増え過ぎているため、一部地域で「新型コロナウイルスの発生届」の提出が遅れているということです。

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