副反応「モデルナアーム」…実態と対処法は
主にモデルナ社の新型コロナワクチンで現れる「モデルナアーム」と呼ばれる副反応。3週間たってもかゆみに悩む女性に、話を聞きました。一方、ワクチン供給の遅れで、東京・豊島区の7月後半の供給は半分以下に。接種終了時期の遅れが懸念されています。
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■接種後1週間の副反応「びっくり」
6月22日にモデルナの新型コロナウイルスワクチンを接種したという40代の女性に7月14日夜、話を聞きました。
「だいぶ、ひいたんですけど、たまにすごいかゆい時(があって)、波が…」と言います。接種から1週間後に、副反応に悩まされました。
「(接種8日後の)6月30日に朝起きたら、どんどんかゆみが強くなってきて、夕方にはぼこぼこしだして。翌日はけっこう腫れてきちゃって、かゆくて、とにかくかゆくて、熱も持っていて。すごい不快でびっくりして、どうしたら良いのか分からなくて」
女性は会社の医務室に駆け込み、かゆみを抑える薬などを処方してもらいました。腫れは収まりましたが、3週間以上たった今も、かゆみは続いているといいます。
「(副反応が出るタイミングが)打って2、3日っていうのは聞いていたんですけど、1週間後っていうのは全く知らなくて、すごくびっくりして。耐えられない感じのかゆさだったので、来週2回目打つんですけど、怖いですね」
■対処法は…医師「効果に影響なし」
接種からしばらくたって現れるこの症状について、ワクチンの正確な情報を発信しようと活動する「こびナビ」副代表の池田早希医師(小児・感染症)は「ほとんどがモデルナ社のワクチンで報告されているため、『モデルナアーム』と呼ばれています」と言います。
対処法について池田医師は、「具体的には冷やす。かゆみ止めの軟膏やステロイドの軟膏を検討しましょう。数日しても改善しない場合は皮膚科医に相談しましょう」と説明します。この症状が出ても、2回目の接種やワクチンの効果には影響はなく、「安心してほしい」と話しています。
■供給減で…クリニック「予約中止」
一方、ワクチンをめぐり、困った状況に陥っていたのは、東京・豊島区の「池袋大谷クリニック」です。大谷義夫院長は「供給がだいぶ減ってしまいましたので、6月30日から新規予約を中止しております」と言います。
ワクチンが足りず、既に1回目の予約をしていた150人についてもキャンセルすることになりました。大谷院長は「1回目接種をすると、2回目接種をするワクチンがなくなってしまう可能性があるので…」と頭を悩ませます。
■国の「在庫把握」実態とズレ
国からのワクチンの供給遅れが、問題になっています。
東京・豊島区では6月後半に42箱が届いていましたが、7月前半には20箱、7月後半には19箱と供給が大幅に減り、半分以下になりました。
区の接種状況を示す表を確認すると、ワクチンの在庫分に関して、実際の状況と国が把握している状況に違いがあることが分かります。
豊島区のワクチン担当部長
「区外の方に打った分は(国が接種状況を把握する)VRSというシステム上はカウントされていないということで、国から見ると、この分を在庫とみなされています」
全体の2割ほどいるという、区外の人の接種がカウントされず、今後も望んだ配分量が届かない恐れがあるといいます。
担当部長
「(接種終了予定が)かなり遅れてしまう可能性があります。必要な所に、必要なワクチンが届くようにしていただきたいと思います」
(7月14日『news zero』より)