副反応は? 3分でわかるワクチン(2)
新型コロナウイルスのワクチンの情報を、わかりやすくお伝えします。
■ワクチンを打つと副反応が出るの?
──ワクチンは、新型コロナウイルスに「かかった」と体の免疫が勘違いするような状態を作り出すものです。体にそのウイルスと戦う練習をさせ、本当のウイルスが入ってきたら、それを思い出し、すぐに戦うためです。
ウイルスと戦う際、熱が出ることがあります。腕の腫れも、体がウイルスと戦っている炎症のあらわれの一つです。
なお、副反応があってもなくても、ワクチンの効きには影響ありません。
■企業や大学、国や都道府県の大規模接種会場で接種するモデルナ社製ワクチンの情報は?
──日本では、モデルナのワクチンを打った人はまだ少ないので、アメリカでの報告をみると、アナフィラキシーという重いアレルギー反応(じんましんと息苦しさなど)が起きたのは40万回に1回の割合で、まれだと言えます。
ワクチンを打った後、15分以上座って待つのは、アナフィラキシーの症状は30分以内に出ることが多いためです。症状が出たら、アドレナリンという薬を注射することで、対処できます。
アナフィラキシー以外の副反応の疑いとして、日本でも、5月段階で、めまい、皮膚の発疹、動悸(どうき)などが報告されました。
しかし、これらがすべてワクチンのせいだと確定したわけではありません。接種した日にたまたま持病が悪化したとか、心臓発作が起きる場合もあります。ワクチンを打たなくても、その症状が起きたのか、ワクチンのせいなのかは、厳密にわからない場合もあるわけです。
接種後に出た症状を「副反応疑い」として広く報告してもらい、厚労省が集計し、専門の医師らがすべての例について検討しています。
■重い症状はなくても、腕の痛みや熱が出る?
──製薬会社の臨床試験では、モデルナのワクチンの1回目の接種後、83%の人に腕の痛み、37%に筋肉痛、13%に頭痛がみられ、熱が出た人は2%。2回目の接種後の方が症状が多くみられ、85%の人に腕の痛み、およそ半分の人に疲労、筋肉痛、寒け、頭痛があり、40%の人が熱を出したということです。
症状は接種当日より、接種後1日~2日で出ることが多く、その後、1日から3日ぐらいで、よくなるということです。翌日には重要な予定は入れず、休めるようにしておけるといいですね。会社によっては、ワクチンを打つ日や翌日に「ワクチン休暇」をとれる場合もあります。
厚生労働省は、ワクチン接種後の熱や頭痛には、解熱剤や鎮痛剤を飲んでよいとしています。具合の悪さが続く場合は、病院や自治体の窓口に相談しましょう。