新型コロナ陽性の30代女性「食料品いつ届くか分からない」 “自宅療養”15万人…都が配送見直し 発熱外来「電話鳴りっぱなし」
新型コロナウイルスの新規感染者が3万人、自宅療養者が15万人を超えた東京。感染急増を受けて、都は食料品の配送を見直すことを決めました。宅配専門スーパーに注文が相次ぐほか、薬局や発熱外来のクリニックにも「第7波」の影響が及んでいます。
■自宅療養で…「食料品」配送に不安
26日、自宅療養中の女性(30代)に話を聞きました。22日に新型コロナウイルス感染症を発症しました。夫と子ども2人の4人暮らしで、この時点で陽性が判明しているのは女性だけだといいます。
女性
「熱が39度6分まで上がってたので、頭がぼーっとするといいますか…」
取材中にチャイムが鳴り、宅配便が届きました。25日に受診したオンライン診療で処方された薬でした。一方で、申請して3日目になっても届かないのが、自治体から配送される食料品です。
女性は「覚悟はしていたんですけれども、いつ届くか分からないという不安はやっぱりありますね」と言います。
■抗原検査キット、入荷の見通し立たず
東京では26日、3万1593人の感染が新たに確認されました。自宅療養者は15万1497人です。この状況を受け、都は自宅療養者への食料品の配送見直しを決定しました。26日から、ネットなどでの食料の調達が困難な人に限るとしました。
そんな中、注文が相次いでいるのが宅配専門スーパーです。都内の店では野菜などの食品のほか、ペットボトル飲料や果物も好調だといいます。宅配専門スーパーの取締役は、「(果物は)自宅で療養される方も自分で切って食べられて、水分もとれる」と話しました。
都内の薬局で売れているのは、医療用の抗原検査キットです。「26日の午前中だけで20個以上売れていますね。異常ですね」と店長。既に在庫は少なく、今後の入荷の見通しも立っていないといいます。
■発熱外来「診たくても診きれない」
感染者急増の影響は、医療現場にも及んでいます。埼玉・春日部市の発熱外来の「あゆみクリニック」では連日、電話が鳴りっぱなし。取材した23日、外には診察を待つ人の長い列ができていました。
スタッフたちは「ちょっと今日、上限に達してしまいまして…」「今だいたい5分とかで(予約が)埋まっちゃうような状況です」「患者様の数、多くいらっしゃってますので…」と電話での対応に追われていました。
藤川万規子院長
「(1日)70~80件ぐらい断っていると思います。本当に(患者が)押し寄せてくるというか」
23日は、開院して2時間ほどで受け付けは終了。患者の急増により、軽症の人は断らざるを得ない状況だといいます。藤川院長は「診たくても、みんな診きれないです。現場のひっ迫した状況があります」
(7月26日『news zero』より)