川の水で集団感染?──熊本で“体調不良”69人に 医師「ノロウイルスの可能性」 細菌性「レプトスピラ症」では死亡例も
熊本・天草市の滝やその近くの川で遊んだ後に体調不良を訴え、受診した人が69人になりました。感染症が疑われていますが、ある医師はノロウイルスの可能性もあるとみています。また細菌性の「レプトスピラ症」にも注意が必要です。遊ぶ際の対策を考えます。
「加藤さんはアウトドア好きと聞きましたが、川で遊ぶこともありますか?」
加藤清史郎さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)
「この夏も何度か計画をしていましたが、最近天気が悪くて、なかなか行けずにいます」
藤井キャスター
「私も含め、皆さんで注意したいことがあります。13日、熊本・天草市にある轟(とどろき)の滝やその近くの川で遊んでいた高校生7人がおう吐や下痢の症状を訴え、医療機関を受診しました」
「さらに、同じ場所で遊んでいた複数の人が同様の症状を訴え、21日時点で合わせて69人が医療機関を受診するまでになっています」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「診察を行った医療機関は、『川の水が原因の感染症が疑われる』としています。熊本県は看板を立て、『感染症に注意』と水遊びを控えるよう呼びかけています。熊本県は水質検査をして原因の特定を急いでいますが、結果が出るまで1週間程度かかるそうです」
小栗委員長
「川の水が原因でかかる感染症はどんなものがあるのでしょうか。東京医科歯科大学病院で感染症内科長を務める具芳明医師に聞くと、ノロウイルス・ロタウイルス・レプトスピラ症・クリプトスポリジウム症・ジアルジア症が挙がりました」
「中でも具医師が『今回可能性があり得る』としているのがノロウイルスです。人から人に感染するため、感染した人が遊んでいると水の流れによっては、感染が急に広がってしまう可能性があるということです」
「また、川遊びをする人に注意していただきたいのがレプトスピラ症です。国立感染症研究所によると、この病気にかかったネズミやイノシシといった野生動物の排せつ物が原因で感染するもので、潜伏期間は5日~14日。主な症状は頭痛や発熱などです」
「去年、沖縄・西表島では川遊びをしていた男性4人が集団感染する事例も報告されています。重症化した場合は死亡するケースもあり、一昨年に八重山保健所管内では、レプトスピラ症に感染していた70代の男性が亡くなっています」
藤井キャスター
「どう対策したらいいのでしょうか?」
小栗委員長
「具医師によると、まずは川の水を飲まないことです。またレプトスピラ症は目・鼻・口の粘膜や傷口からも侵入して感染するということで、遊ぶ時にはラッシュガードやレジャー用の靴を身につけ、ケガをしないように気をつけることが必要だといいます」
「具医師は『細菌などは見た目では分からない。きれいな水でも注意が必要』と話します」
加藤さん
「川での集団の体調不良というのは、これまであまり耳にしてこなかったので、まず何が原因だったのかとても気になります。分かり次第早急に共有してほしいなと思いました」
「自然は危険が伴うもので、情報をしっかり持ってから遊びに行って、その上で楽しむことが大事なんだなとも感じました」
(8月21日『news zero』より)