×

【解説】加速するワクチン3回目接種「副反応」備えは…“動かない工夫”が大事?

2022年2月7日 20:24
【解説】加速するワクチン3回目接種「副反応」備えは…“動かない工夫”が大事?

政府は3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を加速化させる考えです。気になる副反応はどうなのか、何を準備したらいいか、詳しく解説します。

■岸田総理「1日100万回」背景に“遅い”世論の声?

7日、岸田総理大臣は「2月のできるだけ早期に1日100万回までペースアップすることを目指して、取り組みを強化してまいりたいと思います」と発言し、1日100万回の3回目接種の実現を目指すとしています。

特に保育所や学校での感染が拡大しているので、保育士や教職員らに接種を働きかけるよう、厚生労働大臣らに指示しました。

首相官邸のホームページによると、3回目接種の接種率はまだ5.9%という段階で、回数でいうと今月に入ってから1日約50万回ということです。岸田総理は“今の2倍のペースにしたい”ということになります。

諸外国と比べると、日本での3回目接種はあまり進んでいない印象があります。

NNNと読売新聞が今月4日から6日まで行った世論調査では、3回目の接種のスピードについては59%が「遅い」と答えています。岸田総理が「1日100万回」と数字を掲げて発表した背景には、こうした世論の声があるのではないでしょうか。

与野党からも「目標設定すべき」という意見が出ていました。

■副反応…3回目の方が“多い”症状は

まだ、打っていない人も、「もうすぐ打てる」となると、気になるのは副反応です。

2回目と3回目の副反応を比較した厚生労働省の資料では、「接種部位の痛み」については、ファイザーも、モデルナも、2回目、3回目ともに約8割の人に出ました。

「頭痛」はファイザーが2回目で54%だったのが3回目で48.4%、モデルナが2回目で58.8%だったのが3回目で55.1%と、2回目と比べて3回目の方がやや低い割合になっています。

「38度以上の発熱」は、ファイザーの2回目が16.4%だったのが3回目は8.7%、モデルナの2回目が15.5%だったのが3回目は6.6%と、3回目は2回目に比べて半分くらいに減っています。

一方で3回目の方が多い症状もあります。

脇の下の痛みや腫れなどの症状が出る「リンパ節症」は、ファイザーが2回目に0.4%だったのが3回目は5.2%、モデルナの2回目が14.2%だったのが3回目は20.4%と、やや高くなっています。

■副反応にどう備える…“体験談”漫画が話題に

副反応にどう備えればいいのでしょうか。

3回目接種をした人が、準備した方がいいことをまとめた漫画が話題になっています。

作者は看護師の「ぱるこ」さんという女性で、小学生の男の子のお母さんでもあります。

1,2,3回目ともにファイザーのワクチンだったそうです。

まず、「私は3回目接種が怖くて仕方がなかった。なぜなら『2回目が本当にキツかったから』」と書かれています。ここに共感する人も多いかもしれません。

ぱるこさんは、接種の日と夫の出張が重なってしまい、副反応と戦いながら1人で息子さんの世話をすることになったそうです。

では、どのようにして副反応を乗り切ったのでしょうか。

ワクチンを打った時間は午後3時30分ごろで、「1時間ほどで腕がだるくなってきた」そうです。

副反応が顕著に表れたのが、「だいたい10時間後」ということです。

寒気を感じて熱を測ったら「38.3度」だったといい、この時、解熱鎮痛剤をのんだそうです。

その後、熱が下がって少し楽になったものの、だるくて身体の節々は痛いままだったということです。

ワクチンを打ってから15時間後、午前7時になり息子さんの朝食や学校の準備が必要な時間ですが、ぐったりしながら息子さんに指示を出す様子が描かれています。

■“動かない工夫”を…事前に準備しておくことは?

こうした経験から、ぱるこさんが考えた「準備しておいた方がいいもの」は、解熱鎮痛剤、スポーツドリンクということです。

スポーツドリンクについては、具体的に「500mlが無難」と書いてあります。なぜかというと、コップに注ぐ、そのコップを洗う手間を無くすためだといいます。

こうした「必要なものを枕元に置いておくのがおすすめ」と書いています。

家族がいるなら、「ごはんの作り置き」をしてほしいということです。

自分が食べるものは「温めず片手で食べるもの」がおすすめだそうで、ゼリー飲料やおにぎりが紹介されています。

レンジで温められる「作り置きのごはんでいけると踏んで」、身体がしんどくて「激しく後悔した」と書かれています。動かない工夫が大事ということです。

ぱるこさんは「2回目接種の苦労を踏まえて3回目に臨んだものの、それでも足りなかった。これから打つ人にこの漫画を役に立ててほしい」と話していました。

ぱるこさんの事例を紹介しましたが、副反応は個人差があります。また、その症状は、多くの人が数日以内でおさまると報告されています。

最後にワクチンの効果についてですが、3回目接種を受けて約1か月たった人に感染を防ぐ抗体価がどれくらいあるのか、厚労省の研究班が調べたところ、接種前の49.6倍に上がったことがわかっています。



「1日100万回」と岸田総理も目標設定して、現場の動きが加速化してくるので、準備はしておいた方がいいということです。

(2022年2月7日午後4時半ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

  • 日テレNEWS NNN
  • 社会
  • 【解説】加速するワクチン3回目接種「副反応」備えは…“動かない工夫”が大事?