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コロナワクチン“大規模接種”再開 3回目接種は進まず…ためらう人も

2022年1月31日 21:17
コロナワクチン“大規模接種”再開 3回目接種は進まず…ためらう人も

31日も、東京では1万人を超える新型コロナウイルスの感染者が確認され、月曜日としては過去最多を更新しました。東京の病床使用率は、緊急事態宣言の要請を検討する基準の50%に迫っていますが、岸田首相は「現時点では検討していない」と述べました。



31日、東京で自衛隊が運営するワクチンの大規模接種センターが再開されました。31日の接種は事前に予約した720人で、枠は予約開始からわずか9分で埋まりました。3回目の接種をした人は──

大田区在住(62)
「大田区が一番早くて2月11日くらいなので、ちょっとでも早いほうがいいかなと」

江東区在住(20代)
「会社でも感染者が出ているので、身近に迫っているなと」

大規模接種で使われるのはモデルナ社製のワクチンで、全国の18歳以上が対象となります。

岸田首相
「国民の皆様におかれましては、接種券が届いたならば、スピードを優先で3回目接種を受けて頂きますようお願いを申し上げたい」

31日、東京都では、新たに1万1751人の感染者を確認。月曜日としては過去最多となりました。

収束への切り札として期待されている、ワクチンの3回目接種。ただ、31日公表されたデータでは、3回目を終えたのは3.2%と、接種は進んでいません。

なぜ接種が進まないのか、3回目をためらっている人に話を聞いてみると──

男性(30代)
「2回目の時、具合が悪くなったので、できれば打たないで終わりたいですね」

女性(60代)
「副反応がひどかったので、あまり打ちたくないです」

さらに、接種する側の医師にも厳しい現状がありました。東京・杉並区にあるクリニックの院長を務める医師は──

たむら医院 田村剛院長
「これ以上の業務は引き受けられないので、新型コロナワクチンの3回目接種については、当院での接種は断念しました」

31日、クリニックの前には屋内に入らず外で待機する患者や、正面入り口ではなく裏口から入る患者の姿が見られました。

このクリニックでは、患者同士の接触を避けるため、一般の患者とは別に、発熱外来に来た患者は屋外の通路で診察しています。

しかし、今、その発熱外来の患者が急増。31日は午前だけで、発熱外来に26人の患者が訪れたといいますが、そのうち22人が抗原検査でコロナ陽性だったといいます。

たむら医院 田村剛院長
「小さなクリニックにとっては、今の状況は完全にキャパオーバーです。発熱している患者さんは、医療機関で受診しなければいけないわけですよ。ワクチンに関しては集団接種会場もございますので、そちらにお願いする」

ワクチン接種より、目の前の患者を優先せざるを得ない状況なのです。



コロナ患者を受け入れている東京医科歯科大学病院では、日に日に搬送される陽性者が増えているといいます。

状態が悪化したため、他の病院から転院してきた男性が、白いシートで囲われた特殊な車いすで運ばれてきました。中等症の病棟で入院となります。

今月24日に病床の数をほぼ倍に増加したばかりでしたが、30日までの4日間で、中等症の患者は新たに23人増加しました。

東京医科歯科大学病院 呼吸器内科 三ツ村隆弘特任助教
「(受け入れ要請を)とってあげたくてもとれない、という状況が発生してきているので」

病床を増やしたわずか6日あまりで、中等症患者の病床使用率はすでに67%になり、重症患者の病床使用率は83%になったということです。

病院スタッフ
「あと1人受け入れられる余裕があるのですが、(院内の中等症患者が)重症化した時に、移動するベッドがなくなってしまうと大変な事になるので、非常に厳しい状態です」

また、入院前のPCR検査で陰性だった患者が、入院後に発熱し陽性とわかり、医療スタッフ10人が濃厚接触者となり、人手不足に悩まされることもあるということです。

東京都が31日に発表した都内の病床使用率は49.2%で、都が緊急事態宣言の要請を検討する基準の50%に迫っています。

しかし、31日、岸田首相は──

岸田首相
「少なくとも現時点においては、緊急事態宣言の発出は、国としては検討はしておりません」

去年8月に満杯状態だった重症者の病床使用率は、31日時点では37.6%にとどまっていると指摘。まん延防止等重点措置の効果を確認しながら、「自治体とも連携し総合的に判断する」と説明しました。



コロナ患者を受け入れていない病院でも影響が出始めました。

29日、東京都江東区にある病院では、次々と患者が救急車で搬送されてきました。平常時は数件だといいますが、この日は40件以上、救急患者の受け入れ要請があったといいます。

しかし…

深川立川病院 立川裕理院長
「実際に受けられたのは半分以下です」

コロナの陽性者ではない救急患者の受け入れが、困難になっているのです。

深川立川病院 では、31日時点で、60床ある一般病床のうち9割が埋まっているといいます。

深川立川病院 立川裕理院長
「コロナを受け入れてる病院は、人手も足りないし、ベッドもひっ迫してる。一般救急が受けられないわけです。(コロナ患者を受け入れていない病院に) 救急が増えて殺到している現状」

病院の窮状は、広島県でも…。三次市にある病院は、入院患者と職員に感染者が出たため、今日から予約なしでの外来診療を原則休止にしました。

三次市民は、「やっぱり不安。心臓とか腎臓とか悪いから」「どうしても最後はあそこに 頼るようになりますよね。この田舎の方では 一番大きい病院ですから」と話しました。

全国各地で増える新規感染者。医療機関は厳しい現実に直面しています。

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