特殊詐欺“お盆前”に急増 必死の対策取材
コロナ禍で帰省できなかったとしても、お盆なら久しぶりに親に電話でもかけるもの。こうした中、「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺は、実は、お盆前に急増する傾向があります。対策に必死になる埼玉県のある場所を取材しました。
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埼玉県南部のふじみ野市や富士見市。都心からのアクセスが良いこのエリアで今、県内ワースト1になるなど、特殊詐欺が急増しています。
――財務局の者です。キャッシュカードが不正に使われています。職員が持っていく封筒にカードを入れてください。
今年6月、富士見市の高齢男性にかかってきた電話。その後、捜査員が逮捕した受け子の女は、東武東上線で東京方面からきていました。
東入間警察署・佐藤生活安全課長「管内が首都圏から近いということで、交通の便が非常に良いところも理由の1つかなと」
警察は都心からのアクセスの良さが多発の要因とみています。
東入間署は対策に躍起に。
警察官「振り込め詐欺や、オレオレ詐欺が多数発生していて、ご家庭を回らせて頂いている。悪いやつも口が達者で、いろいろ考えてやってますんで」
一軒ずつ訪ね歩く『巡回連絡』を強化しました。
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また、官民合同での取り組みも。
高齢者が多く利用するスーパー。レシートには、「まさか私が騙されるなんて…」の文字。詐欺防止を呼びかけ、自分事としてとらえてもらおうとしています。
あのお菓子メーカー「湖池屋」ともコラボ。すっぱムーチョのキャラが口酸っぱく詐欺防止を訴えます。
こうした対策が功を奏したのか、今年5月の特殊詐欺はゼロに。
しかし、6月には7件発生し、今年は最新の発表で6月までに36件と、県内ワースト1を維持する形になってしまいました。
ある捜査幹部は「お盆の前は詐欺グループも休み前に稼ごうとして詐欺が特に増える」としていて、警察は警戒を強めています。