子どもの感染相次ぎ…対応迫られる教育現場
27日、東京都では、4227人の感染が確認され、愛知県では、過去最多となる、2347人の感染が確認されました。重症者は全国で2000人となり、医療体制のひっ迫に拍車がかかっています。東京都は、渋谷に若者向けの接種会場を設置しましたが、早朝には希望者の長い行列ができました。
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進んでも進んでも、終わりが見えない長蛇の列の先にあったのは、27日から東京都が渋谷に設置した若者向けワクチン接種会場です。その列は、さらに、交差点を挟んだ、反対側にも長い列ができています。
接種開始は正午からでしたが、予約がいらない先着順だったため─。
午前1時から並んだ人
「夜1時ぐらいから(並んだ)。(その前に)2人いらっしゃって」
徹夜組が出るなど、接種を希望する若者が殺到したのです。
都のスタッフ
「本日のワクチン接種の受け付け、すべて終了しております」
行列は午前10時を過ぎても見られましたが、実は午前7時半の時点で27日の接種枠、およそ300人分の受け付けが終了しました。東京都の担当者は「早朝からこれほどの人数が並ぶことは予想外だった」と話していました。
28日以降は、午前9時から10時半の間に抽選券を配布。結果はツイッターなどで告知するとしています。27日、接種を受けられなかった人からは─。
接種を受けられなかった高校1年生
「これから学校も始まるので、こんなに感染者が多いと心配です」
東京都の小池知事が警戒を呼びかけました。
小池知事
「感染状況については、まさに災害級と言えるレベル」
災害級の感染爆発が発生しています。東京では27日、20日と比べ1178人少ない、4227人の感染を確認しました。しかし、重症者は過去最多の294人で、亡くなったのは18人となりました。また、27日から緊急事態宣言下となった愛知県では、新たに2347人が感染と4日連続で過去最多を更新しました。
全国の重症者は、26日時点で初めて2000人となりました。
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学校再開か、夏休み延長か、教育の現場は対応に迫られています。
デルタ株が広がり、子どもの感染も相次ぐ中、教育の現場ではぎりぎりの対応を迫られています。
東京・調布市の小学校では─。
「横にばーって出てこないんですよ」
「えっ!どうやったの」
教師たちがタブレットを手に、なにやら悪戦苦闘していました。
東京・調布市の小中学校では、27日から2学期がスタートする予定でしたが、10代以下の感染急増を受け、来月5日まで夏休みを延長しました。さらに来月10日までは原則オンライン授業を行うことにしたのです。
27日、教室ではその準備が進められていましたが─。
「タブレットPCはスピーカーをオフにしないと、ハウリングします」「音量をゼロにしました」
音声トラブルに見舞われる場面もありました。児童の健康を守るため急きょ決まったという今回の対応について─。
調布市立布田小学校・高岡忠史主任教諭
「夏休みが終わってやっと(友達に)会えると思った気持ちが、ちょっと延びたところ。オンライン授業で少しでも補っていけたらと思っています」
一方、政府分科会の尾身会長は、大学でのオンライン授業を呼びかけていますが、それ以前に後期授業のオンライン化を決めていた東京の武蔵野美術大学は─。
武蔵野美術大学・学長補佐(学生支援担当)森敏生さん
「学びの部分と命の安全性のどちらを重視するか、非常に難しい判断であり選択だった」
学生の命を最優先に考えたということです。ただ、美術大学ならではの本音も─。
武蔵野美術大学・学長補佐(学生支援担当)森敏生さん
「やはり美術大学なので、いかに学生の制作を大事にするか、そこは譲れない部分はある。学生たちももちろんそれを求めている」
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一方、モデルナ社のワクチンへの「異物混入」の経緯が徐々に明らかになりました。
埼玉県保健医療部・石井公規主任
「数ミリのものだと思いますけど、黒い異物がございまして、目で見えるサイズで確認されました」
こう話すのは、薬剤師の資格を持つ埼玉県の職員が、今月13日、接種会場でワクチンをチェックしていたところ、4つの容器の中に黒い異物が浮かんでいるのを目視で確認したということです。
埼玉県保健医療部・石井公規主任
「こんなものが、流通してしまっているんだなと、少し驚きと危機意識がありました」
国内の流通などを担う武田薬品に連絡、回収されたということです。関係者によると、金属片の可能性があるという異物について、ワクチンの製造に関わったスペインの「ロビ社」は、「自社の製造ラインに起因している可能性」があることを明らかにしました。原因の解明と事態の解決につとめたいとしています。