まるで“南国の海”東京湾に“青潮”発生
青みがかった南国の海のように見えるのは、9月7日の東京湾です。「青潮」と呼ばれる現象が発生し、漁業関係者からは困惑の声があがっています。
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記者(7日、千葉市)
「こちら千葉ポートタワー展望室ですが、見てみますと、海の色が乳白色になっています」
入浴剤を入れたような色に変化した海。珍しい光景に地元の人も…
地元の人
「普段の色と違うのでびっくりしました」
地元の人
「沖縄の海みたいできれいだなと思った」
東京湾に出現した“青潮”。その場所は広範囲で、千葉ポートタワーの近くやZOZOマリンスタジアムの周辺、船橋漁港の周辺などに広がっています。
船橋漁港に行ってみると…
記者
「海に近づくと少しガスのにおいがしますね」
そして、魚は酸素を吸うために海面近くまで来ていました。
船橋市漁業協同組合 柴田進介さん
「先週の金曜日あたりからこの状態になっています」
大量のプランクトンが分解され、酸素が薄くなった海底の層が陸からの風で海面に上がってきて色の変化などが起こる青潮。
船橋市漁業協同組合 柴田進介さん
「これが続いて貝や魚が死んでしまうと、漁業の収入が得られないので、青潮が出ると漁師さんたちは心配になっていますね」
いまが旬だというスズキや、あまり動かない貝などへの被害が心配されるといいます。
漁船に乗って沖に出てみると…
記者
「こちら、海の色がエメラルド色にずっと続いています」
10分ほど進むとようやく…
記者
「ここを境に海の色が変わっていることが確認できます」
かなり広い範囲で発生していた青潮。千葉県の担当者は…
千葉県環境生活部水質保全課 田中崇副課長
「(発生しやすい時期は)春から秋にかけての気温が高い時期で、海水温が高い時期」
青潮は毎年のように発生していて、最近では年に1、2回は発生しているといいます。
千葉県環境生活部水質保全課 田中崇副課長
「1日2日で収まるときもあれば、3~5日継続して発生する状況も。風の状況がいつまで続くかといったものによることが大きい」
魚介類への影響が心配される青潮ですが、具体的な対策はなく、風が収まるのを待つしかないということです。