専門家「冬に備えさらに感染者減少が重要」
新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議で、専門家は、新規陽性者は減少を続けているものの、入院患者と重症者は高い水準だなどとして、「感染拡大が懸念される冬に備え、さらに感染者を減少させることが重要」と指摘しました。
東京都医師会・猪口正孝副会長「新規陽性者数は第5波のピーク時の15%以下まで水準が減少したものの、累積した入院患者数はいまだ第5波のピーク時の約50%と高い水準である」
東京iCDC専門家ボード・賀来満夫座長「冬には感染の拡大が懸念されることから、さらに陽性者数を減少させることが重要です」
都内の感染者の7日間平均はおよそ572人となり、5週連続減少したものの、4週連続で低下していた増加比はほぼ横ばいでした。入院患者数は2046人、重症患者数は146人に減少しましたが、いずれも第5波のピーク時の半分程度と高い水準にとどまっています。
専門家は、「この状況で新規感染者がふたたび増加に転じれば、医療提供体制は危機的状況になる」と警鐘を鳴らしました。
一方、都内で8月以降に死亡し、ワクチンの接種歴が判明した412人のうち、ワクチンを1回も打っていない人が78.9%を占めることが明らかになりました。専門家は、「ワクチン接種は死亡をおさえる効果がある」と指摘しています。