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都道府県魅力度ランキング コロナで明暗

2021年10月11日 18:07
都道府県魅力度ランキング コロナで明暗

毎年恒例の都道府県魅力度ランキングが発表されました。今年は新型コロナウイルスの影響で明暗が分かれています。


■都道府県魅力度ランキング発表

この魅力度ランキングはブランド総合研究所が行ったもので、20代から70代のおよそ3万5000人の回答をもとに評価したものです。それぞれの都道府県について「とても魅力的」など5段階から回答を得たほか、認知度などを89項目から算出しています。

石川と長野が10位。9位が奈良、8位が長崎、7位が福岡、神奈川が6位、大阪が5位です。4位は東京。そして3位は沖縄。2位は京都。1位は北海道となりました。

北海道は2009年の調査開始から13年連続で1位。点数も2位の京都を寄せ付けないくらい、ぶっちぎりの73.4。去年と比べても12点以上増えています。

実は、今回の調査の特徴の1つが、この点数です。北海道だけでなく、全体的に上がっています。つまり、さまざまな県に対して魅力的だと感じているということです。平均すると全体で去年より4.9点アップ。これは過去最大の伸びです。

調査を行った研究所の分析は「コロナ禍で旅行できない分、テレビやネットで調べたり見たりする機会が増えた」ということです。そうした人たちの中で「行きたい」という気持ちも含め、「魅力度」が増したということです。


■新型コロナの影響がみられた今回のランキング

今回のランキングでは、いろんなところにコロナの影響がみられます。

例えば千葉県。今回、最も「順位が上がった」自治体で、去年の21位から9つ上がって、今年は12位にランクインしました。どうして急上昇したのか、千葉県に聞きました。千葉県観光企画課の担当者よりますと、「コロナ禍だから近場で遊べる場所として、千葉を選ぶ関東圏の人が多いのではないか」ということです。実際、観光施設の来場者数をみると、今年7月はコロナの感染が拡大する前の2019年と比べて、マイナス7.3%。コロナ前に近づいているのがわかります。

千葉のおでかけスポットは、「ふなばしアンデルセン公園」「市原ぞうの国」など大きな公園やテーマパークなど屋外型の観光施設も多いです。旅行ではなく、近場のおでかけ先として人気だということです。


■ランキングワーストは?

次に、ランキングのワーストの方も見ていきます。実は最下位に変化があったのです。去年、最下位だった栃木は41位に。最下位は茨城でした。茨城は2019年まで7年連続で最下位で、去年初めて42位に浮上しましたが、再び最下位という結果になりました。どうしてなのでしょうか。

去年、最下位を脱出した理由の1つが「デジタル県」としてアピールをしたことでした。2019年に開催された茨城国体で、コンピューターゲームをスポーツ競技とする「eスポーツ」が初めて行われました。

さらに、茨城県公認のバーチャルユーチューバー「茨ひより」が茨城の魅力を発信して注目されました。こうしたことから去年は、20代など若い世代から評価されました。

ただ、今年はコロナの影響でオンライン化が全国に広がりました。調査した研究所は「茨城県の強みが薄まってしまったのでは」と分析しています。

また、順位を上げた栃木県デジタル戦略課の担当者は「今回の結果はあくまで1つの調査。これからも着実なPR活動で栃木の魅力を発信したい」と話していました。

そして順位が下がった茨城県営業戦略部の担当者は「どうして?という思いはあるけれど、順位よりも、実際に茨城に来てもらえるよう積極的に攻めのアピールをしていきたい」ということです。

調査結果からは、コロナで近場の観光地の魅力が見直されたことがわかりました。「感染対策した上で旅行したい」という気持ちも高まっています。地方の観光を回復させていけるかどうかは、都道府県は自らが持つ魅力を、コロナを経た人々のニーズとどう結びつけていくかポイントになりそうです。

(2021年10月11日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)