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「ストハラ」対処 大学生が企業へ製品提案

2021年12月9日 14:02
「ストハラ」対処 大学生が企業へ製品提案

■ストハラの対処法「5D」とは

ストリートハラスメント(ストハラ)とは、電車の中や路上といった公共空間でのナンパや痴漢、性的な発言、相手を侮辱するような言葉など、「公的な場におけるあらゆるハラスメント行為」を意味します。

昭和女子大学は、10月から日本ロレアル株式会社のトータルビューティーブランド「L’OREAL PARIS(以下、ロレアル パリ)」と連携し、ストリートハラスメントの対処方法を発信する「Stand Upプログラム」を始めました。

これは、ロレアル パリが世界展開する啓発活動で、公的な場でハラスメント被害を経験、または目撃した際に安全に対処する方法などを発信しています。

具体的には、実際に効果が実証された「5D」と呼ばれる以下5つの対処法を提唱。

1.「気をそらす(Distract)」
2.「誰かに頼む(Delegate)」
3.「記録する(Document)」
4.「直接言う(Direct)」
5.「後から行動する(Delay)」

例えば、1.「気をそらす(Distract)」は、被害者を目撃した際、被害者にわざと時間をたずねたり、そばで音を立てるなどして加害者の気をそらし、対処する方法です。

■「自分たちが使うものを参考に」若者視点の提案

「Stand Upプログラム」には、昭和女子大学グローバルビジネス学部の学生約100人が参加し、主に「提案」と「実施」を軸に活動しています。

「提案」では、若者の間で流行しているものなど、女子大生の視点を生かして「5D」を実施できる方法を企画し企業に提案。これまでに、防犯アプリを開発する企業に新たな製品開発の提案をしたり、鉄道会社に痴漢被害の現状を聞き取ったうえで、痴漢に遭った際に利用できる防犯グッズなどのあり方について話し合ったりしています。

一方、「実施」では、「5D」の対処法を多くの人に認知してもらうため、インスタグラムなど若者に身近なSNSを活用し、普及活動をしています。

プログラムに参加するグローバルビジネス学部の石川さん(20)は、「防犯ブザーなどの防犯グッズには、『小学生が持つもの』という印象が強い。若者が持つことに抵抗感を抱いてしまう現状があります。今後こうした意見にいかに対応するか考えていきたい」と話しました。

また同学部の田口さん(20)は、「自分たちが日常生活の中で使ったり、若者がよく持ち歩いているものを参考に、『どのような製品があれば「5D」を実践しやすくなるのか』を考えて企画しています。ストリートハラスメントに声を上げる人が増えてほしい」と意欲を見せました。

■被害に遭うかもしれない若者の活動で解決の糸口を

プログラムを総括する昭和女子大学グローバルビジネス学部の浅田裕子准教授は、「ストリートハラスメント自体が認知されていない事実がある」とし、まずは理解を広める必要性を指摘しました。

さらに、課題として、被害に遭ったのは自分の服装や態度のせいだと感じてしまう被害者の自己肯定感の低さや、「助けようと思っていてもどうしたらいいのかわからない」と感じる人が多いことなどを挙げました。

浅田准教授は、「(学生自身が)実際に被害に遭うかもしれない年齢層であり、鉄道会社や企業などに自ら話を聞きに行くことで、相互の理解が深まり、今後の解決に結びつく糸口が見つかるのでは。学生には、若い自分にしかできない社会問題への取り組みを行ってほしい」と活動の意義を訴えていました。

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