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事実婚も…不妊治療「43歳未満」保険適用

2021年12月16日 9:23
事実婚も…不妊治療「43歳未満」保険適用

来年度から保険適用される不妊治療について、厚生労働省が15日に案を示しました。女性は43歳未満で、事実婚のカップルも対象です。治療するカップルに対する社会のサポートや、治療への理解を深めるために必要なことについて、辻愛沙子さんと考えます。

■「体外受精」「顕微受精」など対象

有働由美子キャスター
「『5.5組に1組』。これは不妊治療を受けたことがある夫婦の割合です。厚生労働省は15日、来年度から始まる保険適用について案を示しました」

「対象は、治療開始時点での女性の年齢が43歳未満であること。回数は、治療開始時点の年齢が、40歳未満の場合は子ども1人につき6回まで、40歳以上43歳未満なら3回までです。また、法律上のカップルだけでなく、事実婚のカップルも対象に含めるとしています。では、どんな治療法が保険適用になるのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「体外受精や顕微授精などが対象で、年明けにも適用範囲や価格などの詳細が決まります。例えば体外受精は平均で50万円ほどの費用がかかっていました。今も、国や地方自治体による補助制度はありますが、保険が利けば負担は軽くなりますよね」

「不妊治療に多く当たっている産婦人科医は『保険適用になると、不妊治療に対する認知度や信頼性も高まる。また治療の金額もイメージしやすくなり、ハードルが下がるのでは』と話しています」

■「43歳未満」線引きの背景は?

有働キャスター
「年齢を43歳未満にした理由は?」

小栗委員
「体外受精を受けた人の中で、出産に至った人の割合を示したグラフ(日本産科婦人科学会HPより、2019年)を見ると、40代を境に下がるのは事実としてあります。また患者さんの体への負担や、財政の面からみても、どこかで線を引く必要はあるという理由です」

有働キャスター
「保険適用ではなくなっても、希望する人は自費で続ける選択肢はありますよね。今回は事実婚も対象になりました」

小栗委員
「先ほどの産婦人科医は、『体感では患者さんの100組に1組は事実婚。現在の自治体による補助制度で既に事実婚も対象になっているので、むしろ外れる方が違和感がある』と指摘していました」

■辻さん「若いうちから知識を」

有働キャスター
「辻さんは以前、この話は若い世代でも関心が高いと話していました」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「産みたい人が社会できちんとサポートされる、あるべき制度だと思います。その上で、そもそも義務教育で教わる知識が十分ではないというのも、根本的な課題なのではないかと思います」

「結婚も出産も自分のタイミング、あるいは意思でと考えている女性も多いと思います。年を重ねることと、妊娠・出産の関係性や不妊治療については、男女ともに若いうちから知っておくことが大事ではないかと思います」

有働キャスター
「その部分も大切ですよね。保険適用になるということは、社会としてみんなで支えようということです。不妊治療をするカップルにとって体や心の負担は大きいので、休みやすくしたり、働き方のあり方も一緒に考えて、より良くしていけるといいなと思います」

(12月15日『news zero』より)