「男系男子の養子」も…皇族確保へ2つの案
皇位継承策を考える政府の有識者会議が22日開かれ、皇族数の確保に向けて、女性皇族が結婚後も身分を保持することと、旧宮家の男系男子を養子に迎えることの2案が示されました。保守派の主張が反映されてはいますが、結論は先送りとなりました。
■皇族数確保へ…有識者会議が2案
有働由美子キャスター
「天皇の地位をどうつないでいくのか。政府の有識者会議では22日、次の天皇は秋篠宮さま、そして悠仁さまということが改めて確認されました。ただ、課題も挙げられました」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「現在、愛子さまや佳子さまなど、未婚の女性皇族が5人いらっしゃいますが、今の制度だと、結婚すれば皇室を離れることになります。その場合、悠仁さま以外に皇族が1人もいなくなってしまうことが懸念されています」
有働キャスター
「結婚した眞子さんも、離れたばかりですね」
小栗委員
「そこで、皇族数の確保のための具体策が、2つ示されました。1つ目は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持すること。もう1つは、戦後に皇族を離れた11ある旧宮家の男系男子を養子にして皇族に戻そうという考えです」
■男の子が生まれたら…保守派の考えは
有働キャスター
「これだと皇族の数は増えそうですが、皇位継承は解決になりますか?」
小栗委員
「悠仁さまの後の皇位継承者をどうするかというと、悠仁さまに将来、男の子が誕生すれば、その方が皇位継承者になります。ただ、2つ目の養子の案が、皇位継承者を増やす布石になっているとの見方もあります」
「養子の方は天皇にはなりませんが、もし男の子が生まれたら皇位継承者になれると、伝統的な価値観を大切にする多くの保守系議員は考えています」
有働キャスター
「かなり複雑になりますね」
小栗委員
「そうしたこともあって、今回、有識者会議としては『具体的に議論するには機が熟していない』として、結論を先送りしました。ただ、国会議員の間からは、こんな声が上がっています」
「『男系男子を守りたいがために養子にするのは混乱のもと。国民が求める、今の時代に合った天皇のあり方が論じられるべきだ』とか、『早く結論を出さないと、愛子さまや悠仁さまらの今後の人生に大きく関わる。早く決めるべきだ』というものです」
■辻さん「人としての気持ち大事に」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「日本は伝統や歴史を重んじる風潮が強いと思いますが、そういう意味では女性天皇自体は、過去に例があったわけですよね」
「今の時代の感覚で言うと、人生とか結婚とか、なかなか難しいところはあると思いますが、皇室の皆さん1人1人の、人としての気持ちがちょっとでも大事にされてほしいなと思います」
有働キャスター
「皇室は遠い話だと思ってしまいがちですが、そのあり方は私たち国民や、私たちの代表である国会が決めることになっています」
「今回の有識者会議の報告は難しい言葉も多いですが、どうしてこの考え方になったのか、丁寧に『ですます調』で書かれています。政府も分かりやすいところにアップして、皆さんで見て考える材料にできるようにしてほしいです」
(12月22日『news zero』より)